2006 Fiscal Year Annual Research Report
視覚情報の空間的要因と時間的要因が環境色彩の誘目性ならびに視認性におよぼす影響
Project/Area Number |
18500572
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
岡本 幾子 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (00135766)
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Keywords | 人間生活 / 生活環境 / 視覚情報 / 安全色彩 / 光環境 / 空間的要因 / 時間的要因 / 視線分析 |
Research Abstract |
視覚情報は,フルカラーイメージの情報である.生活環境に存在する物体を正確に認識するには,物体の色や形,材質や表面特性などを工学的に測定する必要がある.また,照明や環境(空間)の認識,視対象に対する人間の知覚(視覚探索時間)など認知面からの追究が重要である. 本研究は,視覚情報に影響をおよぼす空間的要因や時間的要因を明らかにし,ユニバーサルデザインへの導入を検討するとともに公共エリアにおける視覚情報の有効性を検証することを目的としている. 平成18年度は眼球運動計測装置アイマークレコーダ(EMR-8B)および簡易型非接触アイマークレコーダ(NL8B-A,申請設備備品)により視線動向の計測を行なった.まず刺激としてリビングダイニング空間(カラー画像10枚およびモノクローム画像4枚)をモニター上に呈示し,非接触アイマークレコーダで眼球運動を計測した後,アイマークレコーダ解析ソフトウェア(EMR-dFactory Ver.1.0)により視線の解析を行なった.その結果,テーブル→ソファー→壁面の絵画→電気スタンド→ダイニングの順で近隣にある「モノ」を伝わって視線が移動することを確認した.視線は空間から空間へ移動するのではなく,空間の前から後ろへ,空間の周辺から中心へ移動する.モノクローム刺激はカラー刺激に比べて視線の停留点が減少し,停留時間は逆に長くなるなどの傾向を認めた.つぎに,人間生活における安全性の重要な要因である乗用車の外装色に注目し,刺激として自動車ボディから採取したプレート(2種,5cm×5cm)を光環境可変型検査装置下で移動させ,視線の解析を行なった.刺激の色度の違い(L^*a^*b^*:4.465/-0.066/-1.493,88.304/-1.054/1.239)にかかわらず,基準刺激(固定)に比べ移動刺激に対する視点停留時間が長くなる傾向が認められた.
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