2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18500580
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Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
伊原 靖二 Yamaguchi Prefectural University, 生活科学部, 教授 (80106583)
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Keywords | 環境阻害物質 / フェノール / ビスフェノールA / シクロデキストリンビーズ / 木質炭 / 除去率 / 改質竹炭 / コーティング |
Research Abstract |
1)環境阻害物質含有排水の吸着処理に及ぼす各種吸着剤の効果 昨年度に引き続き、環境阻害物質としてフェノールおよびビスフェノールAの竹炭を含む各種吸着剤への吸着実験を試み、その性能を比較検討した。竹炭及び3種のポリシクロデキストリンビーズCDPB(α、β、γ-CDPB)による吸着実験から、ポリシクロデキストリンビーズ(CDPB)へのビスフェノールAの吸着では、最大吸着量はγ-CDPB、吸着平衡定数ではβ-XΔIIBで最も高い値を示した。また熱力学パラメーターの結果から、3種の吸着はすべて発熱反応であり、自由エネルギー値より、β-CDPBの吸着が最も強いことが示唆された。 2)竹炭及び各種木質炭の物性と吸着能 竹炭及びかぼちゃや松ぼっくり等の天然の木質炭を用いて環境阻害物質の除去率を測定した。竹炭のように、密な細孔構造を持っており、比表面積も大きかった松ぼっくりは比較的どの吸着質も吸着していた。細孔の大きさと分子の大きさが吸着に影響を与えており、細孔が溶けていたり潰れてしまっているてっか梨やなすび、もともと細孔の数が少ない柿やまめには、分子が吸着しにくく、除去率が低くなったと考えられる。吸着剤として主として使用する場合は、用途に合わせて木質炭を選ぶ必要がある。 3)竹炭および改質竹炭による環境汚染物質の吸着処理 真竹及び備長竹炭にシクロデキストリンをコーティングした複合体を用いて、吸着能を比較検討した。その結果、真竹ではシクロデキストリンをコーティングすることで、一部を除いて除去率が高くなる傾向が得られ、備長竹炭では減少、またはほぼ変わらないという結果が得られた。この結果から、改質竹炭の吸着性能には分子サイズが影響していると示唆された。
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Research Products
(1 results)