2007 Fiscal Year Annual Research Report
考古遺跡発掘史料による水縄断層系西端部の断層分布形態
Project/Area Number |
18500782
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
千田 昇 Oita University, 教育福祉科学部, 教授 (90111236)
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Keywords | 水縄断層系 / 東合川断層 / 朝妻断層 / 千本杉断層 / 断層分布形態 / 天武七年筑紫国地震 / 考古学的史料 / 福岡県久留米市 |
Research Abstract |
天武七年筑紫国地震は地震記録として初めて史料(日本書紀)に現れた.これは水縄断層系の活動によるもので,その地震による地変が多くの遺跡発掘地点で見いだされている.本研究は,平成18年度から2年間の期間で,筑後国府とその周辺で考古学的な発掘史料を基にして水縄断層の活動と,天武七年筑紫地震時の筑後国府周辺(水縄断層系西端部)における地表の変位の様子を明らかにし,断層の分布形態を解明することを目的とした。 平成18年度は,筑後国府の遺跡との関係を基に,昭和48年から久留米市教育委員会が行ってきた筑後国府及び周辺関係の400ケ所の発掘資料の収集と,その中に現れた地割れなどの地震現象の解明を行った。 平成19年度は,平成18年度の成果を基に,新しい発掘史料を加えて,それらを大縮尺の地形図にマッピングし,それを利用しやすい形で表現すること,そして主として天武七年筑紫国地震による水縄断層系の変位の分布形態と地震前後の様子をコンピュータ上で再現することを試みた。これらにより水縄断層系西端部での分岐形態が明らかになり,さらに西方での今後の遺跡発掘史料により,どこから割れ始め,どこまでの範囲で大きな揺れが起こるかの議論が可能になった。しかし大きな変位をみせる千本杉断層では,天武七年筑紫国地震による変位量がわからず,さらに水縄断層系東部にあたる隈上川を挟む浮羽町朝田から中園にかけての地域での活断層分布が明らかになれば,水縄断層系での活動の様子がわかり地域防災上重要な情報を提供できることが把握できた。
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Research Products
(3 results)