2006 Fiscal Year Annual Research Report
自冶体統合に伴う防災計画再編支援のためのシナリオシミュレータシステムの提供研究
Project/Area Number |
18510144
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
木俣 昇 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (30026166)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高山 純一 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (90126590)
近田 康夫 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (50155298)
二神 透 愛媛大学, 総合情報メディアセンター, 講師 (40229084)
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Keywords | 防災計画の再編 / シナリオシミュレータ / 自冶体合併 / 緊急車両出動計画 / 避難計画 / ペトリネット / 地震時行動の阻害要因 / GPSデータ活用 |
Research Abstract |
1.統合自冶体の防災計画再編調査 白山市では、合併に伴い、本庁一支所という行政組織に移行し、日本海沿岸から白山麓に展開する細長い地域の安心・安全を担う。この地域には、周辺地域を含む広域消防防災体制が既に存在するが、統合地域内の司令系統の統合化と資材の再配分化を含む、意識的な再編が求められている。次に、職員の交流人事の推進に伴い、居住地と勤務先との乖離化が生じており、「誰を何処に」という地震時召集計画の再編が緊急課題となっている。また、各地域での自主防災組織の設立・整備を推進するとともに、行政によるそれらの活動への公助の場の検討も必要となっている。 2.シナリオシミュレータの利用環境の整備 (1)避難計画シナリオのペトリネットシミュレーション構成法の整備:避難計画シナリオの基本構造を、(i)避難開始部、(ii)経路移動部、(iii)避難先部、および(iv)避難阻害要因部に分け、既開発の各基本部分ペトリネットのSdataファイルをExcel形式で整備し、適用地域特性に応じて、それらを基に拡張・修正・結合の操作によりシミュレーション実行ネットを構成する形式の確立・整備を行った。 (2)建物倒壊による避難路閉塞阻害部のペトリネット整備:既開発の阻害部ネットでは、切断型阻害による引き返し想定となっていたが、より頻発する部分閉塞による経路移動容量の制約化を取り扱うペトリネットを開発した。 3.他システムとの連携化整備 (1)火災延焼シミュレーションとの連携化:発災時期・出火場所・件数により様相が激変する地震時同時多発火災シナリオを取り扱うために、既開発の火災延焼シミュレータとの連携システムを整備、確立した。 (2)GPS取得データとの連携化:自冶体合併に伴い、責務領域の広域化・多様化が起きる。それらへの対応として、GPSによる3次元座標データの自動取得システムとの連携化により、ペトリネットの視覚化座標データであるNdataファイルの生成から、逆にSdataファイルを作成することで、実空間対応型ネットの自動構成法を開発した。 4.シミュレーションネットの構成実践 (1)緊急車両の広域出動ネットの構成:3の(2)を利用し、白山市での広域出動ネットの構成を行い、2の(1)の方式により、戦略的出動指令シナリオに必要な走行方向の変更への対応化も容易に行えることを確認した。 (2)中山間地の自助・互助・公助連携ネット構成:3の(2)を利用し、勾配を考慮した避難シナリオネットを構成するとともに、市街地からの緊急車両の駆け付けネットとの結合化を行い、自助・互助・公助の検討支援を試みた。
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