2007 Fiscal Year Annual Research Report
二十世紀分析哲学の総括とその将来的意義の歴史的・体系的解明
Project/Area Number |
18520019
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
松阪 陽一 Tokyo Metropolitan University, 人文科学研究科, 准教授 (50244398)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野本 和幸 創価大学, 文学部, 教授 (70007714)
丹治 信春 首都大学東京, 人文科学研究科, 教授 (20112469)
岡本 賢吾 首都大学東京, 人文科学研究科, 教授 (00224072)
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Keywords | 哲学 / 哲学 / 論理学 / 意味論 |
Research Abstract |
本年度は各研究者が本格的な研究を始動する時期としての位置付けられており、各研究者がこの段階で抱いている研究上のアイデア並びに計画を見当することに重きを置いた活動をした。特に、11月3日から4日にかけて行った研究合宿では、研究代表者の松阪陽一が、ラッセルの哲学の根幹を成すと思われる指示概念の検討、並びにその枠組みを乗り越えることはいかにして可能かについて研究発表を行った。その際、日本における言語哲学研究の第一人者の一人である飯田隆教授(慶應大学)をお招きし、貴重な意見を頂けたのは幸いであった。 本年度においてもまた、研究上必要な文献の収集と専門知識の吸収作業もまた平行して進めた。上記合宿時には、津留竜馬氏(日本大学・非常勤講師)と峯島宏次氏(慶應大学大学院)に、それぞれ「古典論理について」と「記述と前提-日本語意味論の試み」と題した講演をお願いし、論理学と言語哲学、言語学・意味論との接点について討論を行った。これらは特に研究代表者の松阪の研究領域と深い関係にあるものであるが、野本和幸や岡本賢吾が研究対象としている論理学やコンピューター科学にとっても非常に重要な成果であり、参加者はこれらの領域についての理解を深めることができた。この知見は、野本の『分析哲学の誕生:フレーゲ・ラッセル』における「序論:論理思想の革命と日本におけるフレーゲ・ラッセル」においてある程度反映させることができた。こうした成果を踏まえて、来年度以降も各分野の若手研究者を招いて最新の成果の吸収に努めつつ、二十世紀の遺産を再検討するという方針を再確認した。
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