2009 Fiscal Year Annual Research Report
日本語学習者のための「デジタル文法辞典」の開発-動的イメージで示す文法の「コア」-
Project/Area Number |
18520400
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
菊地 康人 東京大学, 国際本部日本語教育センター, 教授 (40153069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 真理子 東京大学, 国際本部日本語教育センター, 准教授 (30334254)
前原 かおる 東京大学, 国際本部日本語教育センター, 講師 (10345267)
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Keywords | 日本語教育 / デジタル文法辞典 / 文法項目のコア / 動的イメージの視覚情報 |
Research Abstract |
21年度が最終年度の予定であったが、諸般の事情により予算の一部を1年間繰り越し、22年度まで研究を継続した。 当該期間末までに開発したコンテンツは、大別して、(1)「動詞の活用」に関するもの、(2)主要な「格助詞」に関するもの、(3)「モダリティ」に関するもの、の3系統に分けられ、このほか、狭義の文法に関するものではないが、(4)「音と文字の学習」に関するコンテンツも精力的に開発してきた。 このうち(1)は、動詞グループの活用パタンやグループ分けについて気づきを促すタスクを効果的にかけることで、学習者が自ら主体的に「活用の仕組み」を発見・検証でき、その上で基本形から活用形へと変換できるように導くものである。(2)は、例えば、場所を表す「に」「で」「を」の各格助詞の「コア」を動画で示し、学習者が視覚的にその差が理解できるように導くものである。(3)の一例は、「情報が頭に入った順序」に留意を向ける動画により、「わけだ」の用法を学習し、実場面で使えるように導くものである。(4)の一つの主要部分は、日本語の音・拍の体系の理解と、ひらがなの学習を、さらに文構造の学習とも有機的に連携させ、学習者の認知過程に配慮したフィードバック機能をもつタスクを随所でかけ、最初期の音とひらがなおよび文構造の習得へと導くものである。 開発した成果は、研究代表者・分担者の所属機関における日本語教育において有効に活きている。
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