2007 Fiscal Year Annual Research Report
国際裁判管轄の合意に関するハーグ条約とその作成経緯に関する研究
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18530037
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
道垣内 正人 Waseda University, 大学院・法務研究科, 教授 (70114577)
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Keywords | 裁判管轄 / 管轄合意 / ハーグ国際私法会議 / 国際民事手続法 / 国際商事仲裁 / 仲裁合意 / 仲裁条項 |
Research Abstract |
2007年10月14日から19日にシンガポールで開催された国際法曹協会の健司研究大会に出席し、"The enforcement of dispute resolution clauses"などの仲裁条項・裁判管轄条項に関するセッションにおける議論に参加し、最新の実務上の問題、たとえば、調停と仲裁との有機的な組み合わせを定める条項のドラフティングの問題などに触れることができた。 執筆に関しては、ハーグ国際私法会議の作成した「管轄合意に関する2005年条約」に関してロンドン大学のTrevor Hartley教授と共同執筆した公式コメンタリーである"Explanatory Report on the Hague Convention on Choice of Court Agreements"が完成し、この翻訳の作業を進めた。この条約は、英米法系と大陸法系の多数の国の考え方を融合させたものであり、学問的な意義も大きいものであって、日本における国際裁判管轄の立法にも有益な資料となると考える。また、上記の条約の起草経緯を1992年まで遡って検討した「ハーグ国際私法会議における国際裁判管轄及び外国判決承認執行条約作成の試み-その総括的検討-」を執筆した。これは近く早稲田法学83巻3号(2008年)に掲載される予定である。 他方、紛争解決条項に関する法律実務に指針を与えるため、「国際契約におけるボイラープレート条項をめぐる若干の留意点一準拠法条項・裁判管轄条項・仲裁条項-(1)-(7・完)」をNBLに連載した。この過程で多くの実務家から実際上の問題点について話を聞くことができ、それを体系的にまとめることができた。
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