2007 Fiscal Year Annual Research Report
東北地方の地域経済悪化による雇用構造の変化と新規高校卒者の就業動向に関する研究
Project/Area Number |
18530397
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Research Institution | Shokei Gakuin College |
Principal Investigator |
不破 和彦 Shokei Gakuin College, 総合人間科学部, 教授 (60004115)
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Keywords | 就職志願高校生 / 教育的就職指導 / 進路 / 仕事観 / 就職活動・決定の悩み / 仕事への期待と不安 / 職業選択理由 / 就職活動準備 |
Research Abstract |
平成19年度の調査活動は、高校卒新規就業者に関する状況把握を各県労働局、教育委員会、職業安定所などを訪問し、担当者からの説明および関連資料の収集に努めた。また、高校を訪問し、進路就職指導教員より卒業生の就職状況、学校として行った教育的就職指導の内容と成果、近年の就職をめぐる雇用者側の要望や条件、それらに対する就職志望高校生の受け止め方などをインタビューによって把握に努めた。全般的な傾向として、近年は高校卒者に対する雇用動向も改善に向かい、就職内定率も上向傾向にあると言われる。しかし、県内企業からの求人件数および求人数は横ばい状況にある点から、高校卒後に地元での就職を希望する生徒にとっては以前と同様に厳しい環境にある。工業高校および地元に就業機会が絶対的に限られている高校においては、就職志願高校生は関東圏はじめ県外への就職は逆に改善に向っている。 もう1つの調査活動は、就職志願高校生を対象にしたアンケート調査の実施である。就職志願高校生は、いつ就職を進路して決めたのか、就職を決めた理由、働くことの目的、仕事観、就職活動をめぐる諸問題、働くことへの期待と不安などを内容としたアンケート調査票を作成し、宮城県内にある工業、商業、農業そして普通高校あわせて9高校を抽出し、調査を実施した。800名からの回答調査内容を分析し、高校生の就職観の傾向的な把握を行った。 多くの高校生は、就職にあたり堅実かつ意欲的な考えをもちながら就職活動に取り組み、一般にいわれているような仕事からの離脱や無規則的な仕事への従事などを求める傾向はきわめて少ない。同時に、就職後の職場での人間関係や仕事をめぐる指導、助言のありかたに不安を抱えている点からも、高校での就職に関する教育的指導内容および企業はじめ事業所、行政機関などへの理解と協力などが課題として指摘できる。
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Research Products
(1 results)