2006 Fiscal Year Annual Research Report
仏教と教育の関係性に関する哲学的・臨床的研究--「心の教育」の所在を探る--
Project/Area Number |
18530631
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Otani University |
Principal Investigator |
皇 紀夫 大谷大学, 文学部, 教授 (40077392)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門脇 健 大谷大学, 文学部, 教授 (30204522)
関口 敏美 大谷大学, 文学部, 助教授 (60241212)
山内 晴朗 大谷大学短期大学部, 講師 (80351253)
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Keywords | 心の教育 / 教育言説のレトリック分析 / 仏教教育論の事例 / 教育学的・言語学的分析 / 哲学的・臨床的な手法 |
Research Abstract |
本研究は、「仏教と教育に関する哲学的・臨床的研究」を通して、「心の教育」の所在・可能性を探究することを目指すもので、平成18年度においては、仏教系大学のカリキュラム・シラバスの収集と、建学の理念を語る教育言説のレトリックの分析を試みた。更に、代表的な大学二校を訪問し、学長あるいは総長との面接を通して、それを仏教教育論の事例として教育学的・言語学的に分析した。教育学研究の方法論として、臨床的立場や言語学的研究を構築するためには、理論的検討を重ねなけれぱならず、その作業はまだ緒についたばかりであり、引き続き取り組みが必要である。仏教系の大学は古い歴史をもつ大学が多く、建学の理念を語る古典的な言語形態は、今日では、大学の独自性を表現する積極面と社会の変化に対応できず、自己完結して孤立している面との二面性をみせており、いずれの大学も広い意味での"宗教の世俗化"という"臨床的"課題に直面していることが明らかになった。 関係資料の収集はおおむね終了したが、具体的なカリキュラムと授業形態などについての調査と分析はまだ不十分であり、次年度に繰り越した。また、仏教教育学会に参加し、現在の仏教教育の研究水準に触れたが、参考になる研究は僅かであった。 また、幼児教育段階における仏教教育の実践については、実習の観察・指導の場面において、さまざまの工夫を試みた。先行研究についての研究は十分とは言えないが、本研究の独自性である「哲学的・臨床的」な手法は、一定のレベルまで形を整えてきたと思う。
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Research Products
(4 results)