2006 Fiscal Year Annual Research Report
大学における広汎性発達障害者への支援-大学生実態調査と支援体制の構築をめざして-
Project/Area Number |
18530757
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
北添 紀子 高知大学, 保健管理センター, 講師 (70284437)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉繁 迪 高知大学, 保健管理センター, 教授 (90253343)
寺田 信一 高知大学, 教育学部, 教授 (00346701)
是永 かな子 高知大学, 教育学部, 助教授 (90380302)
藤田 尚文 高知大学, 教育学部, 教授 (10165384)
泉本 雄司 高知大学, 医学部付属病院, 講師 (20325418)
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Keywords | 広汎性発達障害 / 大学生 / Autism-Spectrum Quotient / 支援体制 |
Research Abstract |
<Autism-Spectrum Quotient(AQ)調査> 【方法】新入生を対象として、健康診断時に他の健診項目に自己記入式質問紙であるBaron・CohenのThe Autism-Spectrum Quotient(AQ)を追加した。健康診断の自己記入の項目については健康診断前に行われるオリエンテーションで説明し、健診当日までに各自記入してもらうよう依頼した。健康診断に関してはアンケートの趣旨取り扱い等の説明文を熟読してもらうよう促し、同意が得られた場合に実施した。 【結果】対象者997名中、実施者871名(実施率87.4%)。AQ得点が33点以上は42名、そのうち呼び出し面接が可能であった学生は21名、呼び出し面接以前に自ら来談した学生は2名であった。23名のうち広汎性発達障害が疑われた学生は9名で、9名の中で継続面接を提案し継続面接が可能であった学生は6名であった。継続面接に際しては広汎性発達障害が疑われるからということではなく、「学校生活にスムーズに慣れていくのか、困っていることがないか心配しているので、何も困っていないかもしれないけれど定期的に様子を伝えにきてくれませんか」と提案し、困ったこと、問題行動が表面化していなくても、近況報告的に保健管理センターの利用を促した。自ら来談以外の学生は、対人交流は狭いながらも現在のところ学生生活に困ってなさそうに思われる。 <学生支援> それぞれのケースに応じて学生が困っていると訴えることを中心に支援を行っている。対人関係に関する支援は心理療法的枠組みの中で行いやすいと考えられた。学業に関する支援は、担当教員との連携が必要であり、保健管理センターのかかわりだけでは困難であることが多い。個別の支援プログラムを考えていくにあたって教職員の理解が必須である。卒業後の進路に関する支援は、学生の自分自身の特性の理解とも関係しているように思われる。また、学生の情報をどの範囲で共有するのか検討が必要である。 <啓蒙活動> 学内の教授会を利用して広汎性発達障害の理解と支援に関する研修会を行った。
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Research Products
(1 results)