2007 Fiscal Year Annual Research Report
大学における広汎性発達障害者への支援-大学生実態調査と支援体制の構築をめざして-
Project/Area Number |
18530757
|
Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
北添 紀子 Kochi University, 保健管理センター, 講師 (70284437)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植田 わ佐 高知大学, 保健管理センター, 教授 (00033283)
寺田 信一 高知大学, 教育学部, 教授 (00346701)
是永 かな子 高知大学, 教育学部, 准教授 (90380302)
藤田 尚文 高知大学, 教育学部, 教授 (10165384)
泉本 雄司 高知大学, 医学部, 講師 (20325418)
|
Keywords | 広汎性発達障害 / 大学生 / 支援体制 / Autism-Spectrum Quotient |
Research Abstract |
本研究の目的は広汎性発達障害のある学生に対する大学としての支援を構築するための方向性を探ることにある。 <Autism-Spectrum Quotient (AQ)調査> 【方法】新入生を対象として、健康診断時に他の健診項日に自己記入式質問紙であるThe Autism-Spectrum Quotient (AQ)を追加した。健康診断前に行われるオリエンテーションで趣旨取り扱い等の説明文を熟読するよう促し、同意が得られた対象に実施した。 【結果】平成18年度、19年度の回答者1777名(回答率90.6%)。AQ得点が33点以上は71名、そのうち面接が可能であった学生は32名、面接の呼びかけ以前に自ら来談した学生は2名であった。34名のうち広汎性発達障害の存在が否定できなかった学生は13名で、これらの学生に対しては継続面接を提案した。継続面接では広汎性発達障害への直接的な介入は避け、困ったこと、あるいは表面化した問題行動がなくても、近況報告的な来談を促した。自ら来談した2名以外は、対人交流は狭いものの1年生の段階では学生生活に困っていなかった。 <学生支援> 学生が自ら訴える「困っていること」を中心に支援を行った。対人関係に関する支援は心理療法的な手法を活用し行いやすいと考えられた。学業に関する支援は、担当教員との連携が必要であり、保健管理センターのかかわりだけでは困難であることが多い。学習面での困難を抱えているケースに対し、年長の学生による個別補習を実施した。就職支援は、職業選択、就職支援室、ハローワークとの連携、面接練習などを行った。 <啓蒙活動> 学外講師を招聘し、一般参加が可能な講演会を行った。教職員向けのパンフレットを作成中である。
|
Research Products
(5 results)