2008 Fiscal Year Annual Research Report
複素および共形幾何における種々の構造とそれらの不定値類似に関する研究
Project/Area Number |
18540063
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
鎌田 博行 Miyagi University of Education, 教育学部, 准教授 (00249799)
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Keywords | (不定値)ケーラー計量 / 自己双対多様体 / ツイスター空間 / ルブラン・メイソン対応 / ヌルキリングベクトル場 / 超 / 四元数CR構造 / 強擬凸性・超擬凸性 |
Research Abstract |
正定値計量に関わる幾何構造の多くとそれらの不定値版について、存在、構成法、一意性などが自然な問題として現れる。本研究では、計量に関わる種々の構造について、計量の正値性・不定値性による差異や類似性を明らかにすることが一つの目的であり、具体的には、1. 板東・カラビ・二木の障害の一般化とその具体的計算、2. 不定値ケーラー類とその判定法の一般化、3. デルザン構成法の不定値版、4. 端的ケーラー計量とその不定値類似(等方的な端的ケーラー計量)、5. 共形幾何学的一般化、6. (不定値)超ケーラー構造・超CR構造の幾何、という課題があげられていた。本年度は、1. では、高次元の場合の板東・カラビ・二木の障害がwell-definedであるための比較的弱い条件を満たす多様体として、ある種の正定値コンパクト自己双対多様体のツイスター空間が新たな考察の対象となり得ることを認識した。具体的な計算や定スカラー曲率不定値ケーラー計量の存在問題への応用は今後の課題である。2、3、4については特段の進展はなかったが、5. では、ルブラン・メイソン対応を具体的に書き下すことの重要性を認識し、その第一歩として、Tod-鎌田(研究代表者)が構成した自己双対ニュートラル計量でトーラス不変性をもつものについて、ヌルキリングベクトル場を考察した。6. については、超/四元数CR構造の種々の凸性(強擬凸性、超擬凸性)の違いを表す例の一般化を試みた。
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