2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540172
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
畑 政義 京都大学, 大学院理学研究科, 助教授 (40156336)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 哲生 京都大学, 大学院理学研究科, 教授 (10127053)
永田 誠 京都大学, 数理解析研究所, 助手 (30293971)
|
Keywords | PISOT数 / SALEM数 / 超越数 / 有理近似 / 小数部分 / 素数定理 / PADE近似 / 無理数度 |
Research Abstract |
まず、本研究の主たるテーマであるMahler測度に関するLehmerの問題について研究を行った.これまでの最良の結果はDobrowolski(1979年)によるが、これを改良すべく様々な方法を試みたが、残念ながら改良することはできなかった.研究方向としては、Dobrowolskiと同じオーダーであっても、その係数を改良する問題があるが、これに関して、これまで知られている最良定数9/4を改良することはできなかったが、その導出に関して、連続関数に関するある種の不等式と密接に関連することがわかった.どのようにまとめるかは未定であるが、再度考察し結果を深めたい. 次に、素数定理の初等的かつ単純な証明を研究した.よく知られているように、素数定理は数学における1つの金字塔であり、多くの研究者によって用いられている定理である.学生を含めより多くの人々に本質を理解してもらうことは、教育面だけでなく、数学にためにも重要と考えている.ErdosおよびSelbergは、素数定理の初等的証明を与え、後者はFields賞を受賞した.彼らの証明は、複素関数論を用いないという意味であり、決して簡単な証明ではない.この考察における本質部分は、いわゆるTauber型定理の部分を、どのように初等的にするのか、という点にある.このあたりの結果を著書の形で出版する予定である. また、以前からの継続テーマである無理数度の研究をおこなった.具体的には対数値、例えばlog2のような超越数に対する有理近似問題である.Lang予想に近づけるよう新しい方法として多次元モデルを導入し、3/2のベキ問題と平行して研究を行った.いまだ有意な結果は導けていないが、両者には共通点があり、特に共通因数をメインに多項式を選ぶのが鍵になりそうである.これにかんしては研究を続行している. 代数的数、特にPISOT数ならびにSALEM数を公比に持つ等比数列の小数部分の分布問題に関しては、修士セミナーでの研究テーマでもあり、研究を継続している.
|