2006 Fiscal Year Annual Research Report
量子化機能素子を目指したナノサイズモリブデン酸クラスター・ナノネット集積体の研究
Project/Area Number |
18550057
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
枝 和男 神戸大学, 理学部, 助手 (00193996)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山村 公明 神戸大学, 理学部, 教授 (60031358)
山田 康治 日本大学, 生産工学部, 教授 (10166704)
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Keywords | ナノサイズ / ポリモリブデン酸 / クラスター / 量子化機能 |
Research Abstract |
本研究計画の目的は,メゾスコッピクなサイズを持つ縮合モリブデン酸イオン(ナノサイズモリブデン酸クラスター,{Mo_x})の酸素架橋によるネットワーク化によって形成されるナノクラスター・ネットワーク(ナノネット)を利用した量子化機能素子の開発を目指した基礎的の研究の実施である.ナノサイズの酸化物と言えるナノサイズクラスター{Mo_x}は量子サイズ効果を示す量子ドットであり、これらを有機分子リンカーを介したトポロジー制御の下で配列・連結させる事により,量子箱(0次元系),量子細線(1次元系),量子井戸(2次元系)に相当する量子化機能素子を実現するナノネットを構築することができると期待される. 本研究計画では,{Mo_<36>}を組上げて形成されるナノネットの結晶体(集積体)を用いた量子化機能素子の開発を目指して,{Mo_<36>}ナノネットの電子物性の制御,{Mo_<36>}ナノネットのトポロジー({Mo_<36>}の配列と連結様式)の制御,ナノネット周りのマトリックス(有機分子リンカー層)の層厚の制御とそれによる{Mo_<36>}ナノネット集積体の物性制御などを研究している.これまでの研究で,混合方法やリンカーとして用いるジアミンの組み合わせを工夫し,(3)2種のα,ω-アルカンジアミンをリンカーとする[{Mo_<36>}-混合ジアミン]の系で1次元のMo-Oフレームワークをもつ構造体を新たに合成することに成功し,種々の層厚のマトリックス(有機分子リンカー層)をもつナノネットの結晶体の合成に成功した.また,α,ω-アルカンジアミンへのOH基の導入(リンカー間の相互作用の導入)や,マルチアミンの使用によって{Mo_<36>}間の連結様式や{Mo_<36>}のパッキング様式の異なる2次元のMo-Oフレームワークをもつ種々のナノネット結晶体の合成に成功した.
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