2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18560050
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
坂佐井 馨 独立行政法人日本原子力研究開発機構, J-PARCセンター, 研究主幹 (00343913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曽山 和彦 独立行政法人日本原子力研究開発機構, J-PARCセンター, 研究主幹 (90343912)
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Keywords | 高速中性子 / イメージング / 輝尽性蛍光体 |
Research Abstract |
輝尽性蛍光体を用いて高速中性子イメージングを行うため、既に開発したガンマ線感度の低い輝尽性蛍光体の前面に有機高分子でできたラジエータを配置する方法を用いて行った。低ガンマ線輝尽性蛍光体としてはSrBPO_5:Euを、ラジエータとしてはポリエチレンを用いた。高速中性子源としては、原子力機構の放射線標準施設棟にある単色高速中性子源(中性子エネルギー5MeV)を用いた。実験の結果、輝尽性蛍光体の前面にラジエータを配置することにより、高速中性子が測定可能であることを確認した。また、ポリエチレンの厚さとしては、約0.3mmが最適であることを見出した。 ラジエータから発生した陽子による輝尽性蛍光体へのエネルギー付与が輝尽性出力を決定するので、これを評価するため、モンテカルロシミュレーションコード(PHITS)による計算を行った。この結果、計算においてもポリエチレンの厚さが0.3mmであることが確認できた。0.3mmは高速中性子と水素原子との弾性散乱で発生する陽子の飛程がポリエチレン中では0.3mmであることに由来するものと考えられる。 実験では、比較のため、X線用イメージングプレート(BAS-SR)を用いた実験も行った。ポリエチレンの厚さと輝尽性出力の関係は、SrBPO_5:Eu及びBAS-SRサンプルとも実験と計算が良く一致することも確認できた。さらに、実験結果及びシミュレーション計算から本高速中性子場に付随するガンマ線の影響を評価すると、SrBPO_5:Euを用いた場合は、その影響がほとんど無視できるのに対し、BAS-SRの場合は、全輝尽性出力の26%にも達することがわかった。したがって、低ガンマ線輝尽性蛍光体を用いることにより、ガンマ線の影響の少ない高速中性子の検出が可能であることが予想される。
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