2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18560804
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Research Institution | Toyama National College of Technology |
Principal Investigator |
高田 英治 Toyama National College of Technology, 電気工学科, 准教授 (00270885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河原林 順 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (80283414)
畔田 博文 富山工業高等専門学校, 物質工学科, 准教授 (10290735)
岡田 裕之 富山大学, 工学部, 教授 (80233344)
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Keywords | 有機半導体 / 放射線 / 測定 / 電流 / X線 |
Research Abstract |
半導体放射線検出器は、放射線から電気信号への変換効率が良く、高い分解能を持つ。しかし、従来は無機材料が用いられており、製作に手間がかかるなどの欠点があった。本研究では、有機半導体を用いて放射線測定が可能な素子を製作し、その特性を評価することを目的とした。 製作にあたっては、真空度4.5×10^<-6>[Torr]において、ITO電極上にα-NPD(500Å)/td-PTC(500Å)/AI(700Å)を積層した。陽極と陰極の幅は2[mm]、素子の面積は4[mm^2]とした。まず、可視光の強さが1[kW/cm^2]となるように素子の位置を調整した状態で可視光を照射し、測定を行った。素子に逆電圧を印加し可視光を照射すると、暗電流よりも10^5程度大きい電流値が得られた。 次に、製作した素子が放射線検出器として動作するのか確認するため、X線発生装置を用いて実験を行った。素子に逆電圧を印加した状態で、X線(約710mSv/h)を照射し、測定した。 素子にX線を照射すると、案電流に比べて電流が約40〜50[pA]程度増加した。印加電圧が大きくなるにつれて電流の増加量も大きくなった。逆電圧の増加よって空乏層が大きくなり、放射線からの付与エネルギーが大きくなったためと考えられる。また、X線発生装置の加速電圧を大きくしても電流値が大きくなった。これらのことから、製作した有機PDが、放射線検出器として動作していることが確認できた。 一方、数種類の素子構造について検討を行ったが、逆電圧の大きさと暗電流の大きさの関係が不安定であるなど、製作プロセスや構造を再検討していく必要が示された。また、イメージングへの適用を考え、今後、素子のピクセル化等を検討する予定である。
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