2009 Fiscal Year Annual Research Report
グリッドコンピューティングの自動灌漑システムへの応用に関する研究
Project/Area Number |
18580244
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
伊藤 良栄 Mie University, 大学院・生物資源学研究科, 助教 (30232490)
|
Keywords | センサーネットワーク / 圃場計測 / インターネット / 携帯データ通信 / Plug Computer / USB Webcam / デジタルカメラ / PTP |
Research Abstract |
昨年度フィールドサーバを設置した三重県熊野市金山パイロットにおいて、高品位みかん生産に向けた最適潅水制御法の確立に向けた基礎データの収集のため、気温・湿度・土壌水分等の環境因子とネットワークカメラによる画像撮影を行った。現地との通信回線に昨年度設置した衛星データ通信回線の他に、FOMA回線を利用した携帯データ通信および道路に面した小屋に敷設したADSL回線も利用し、それぞれの通信方法の比較を行った。その結果、通信速度は衛星データ通信>携帯データ通信>ADSLの順に速く、通信コストはADSL>携帯データ通信>衛星データ通信の順に安価であった。また、都市部で普及の進むFOMA以外の携帯データ通信サービスのほとんどは、対象としたみかん園はサービスエリア外であり、利用できなかった。以上の結果から、有線系の通信インフラが充実していない、民家から離れた農地でのデータ収集には、現状ではFOMA回線を利用した携帯データ通信が最も適していることが分かった。 また、昨年度構築したソリッドステート化した画像モニタリングシステムでは、LinuxサーバをSDカードで起動するPlug Computerに変更し、メモリ容量やCPUの性能を向上させ、システムの機能を拡張した。その結果、高い耐環境特性を維持したまま、USB Webcamの最高解像度で野外の様子をクリアに撮像することに成功した。さらに、より高精細な画像取得をめざし、コンパクトデジタルカメラおよび一眼レフカメラを用いて遠隔制御の室内実験を行った。その結果、PTPと呼ばれるデジタルカメラの遠隔操作用プロトコルをサポートするカメラの一部がLinux Boxから利用可能であり、特に一部のコンパクトデジタルカメラは10倍以上の光学ズームを遠隔からプログラムで制御可能など撮影条件を自在にコントロールできるため、農作物のモニタリングに有効であることが推察された。
|
Research Products
(4 results)