2006 Fiscal Year Annual Research Report
納豆成分による鶏卵のコレステロール低減化に関する研究
Project/Area Number |
18580265
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
宮口 右二 茨城大学, 農学部, 助教授 (60250990)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊田 淳 茨城大学, 農学部, 講師 (00292483)
小針 大助 茨城大学, 農学部, 講師 (50396595)
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Keywords | ニワトリ / 鶏卵 / 納豆 / 遊離脂肪酸 / コレステロール / コルチコステロン / ストレス |
Research Abstract |
ニワトリへの納豆給与により,低コレステロール卵が生産されることが明らかとなっている。しかし,納豆による鶏卵のコレステロールに関するメカニズムは不明であることから,鶏体中でのコレステロールの代謝に及ぼす納豆給与の影響とくに納豆の抗ストレス作用と血中コレステロールとの関係について検討した。供試動物には雄ヒヨコを用い,群飼から一羽を隔離する単離ストレスを付与する方法で検討したところ,通常の飼料を給与した対照区では,ヒヨコはストレスを感じ,仲間を求めて発声する行動が多くの個体でみられたが,3%納豆を給与した納豆区では,発声回数が少なく,ストレスを感じていない傾向を示した。また,納豆給与区では,血中のストレスホルモンであるコルチコステロンが対照区よりも少ない値を示した。なお,納豆と同量を給与した大豆給与区では,納豆給与でみられたコルチコステロン濃度の減少はみられなかったことから,納豆菌で大豆を発酵させることで生産される物質すなわち納豆菌培養物あるいは大豆の発酵産物でヒヨコのストレスを緩和させる作用のあることが確認できた。一方,血中のコレステロール濃度については,対照区および納豆給与区で両者に違いがみられなかった。また,血中の遊離脂肪酸濃度も納豆給与の影響はみられなかった。ただし,肝臓の重量は,単離ストレスを与えた対照区で減少傾向を示したが,同納豆給与区では,その減少が抑制されていた。本結果より納豆給与による鶏卵のコレステロール低減化では,納豆による抗ストレス作用の可能性は確認されたが,血中のコレステロール濃度は低減化させないことから,ストレスホルモンとコレステロール濃度との相関関係は認められなかった。
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