2008 Fiscal Year Annual Research Report
納豆成分による鶏卵のコレステロール低減化に関する研究
Project/Area Number |
18580265
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
宮口 右二 Ibaraki University, 農学部, 准教授 (60250990)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊田 淳 茨城大学, 農学部, 講師 (00292483)
小針 大助 茨城大学, 農学部, 講師 (50396595)
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Keywords | 納豆 / 産卵鶏 / 鶏卵 / コレステロール / n-ヘキサン / apoVLDL II / 血中遊離脂肪酸 / 胆汁酸 |
Research Abstract |
本研究は、低コレステロール卵の生産で用いる納豆飼料の鶏体内での作用機序を明らかにするものである。これまでの研究では、納豆給与がストレスホルモンあるいは血中脂質成分(遊離脂肪酸およびコレステロール濃度)に直接、関与する可能性は低いことが示されだ。また、乾燥納豆の給与で、コレステロール合成および分解に関与する遺伝子の発現量には影響がみられなかったが、コレステロールの輸送タンパク質であるapoVLDL II遺伝子発現量が低下しており、納豆はコレステロールの鶏体内での輸送に影響を及ぼしていることが示唆された。さらに、その作用はアセトンで処理した納豆中の非水溶性の画分に存在ずることも示された。そこで今回、納豆非水溶性画分をさらに、n-ヘキサンで処理し、納豆ヘキサン可溶性画分(HS)と納豆ヘキサン不溶性画分(HI)に分画し、産卵鶏に給与したところ、HSでは鶏卵のコレステロールが有意に減少し、HIではP=0.051でコレステロールの減少傾向が認められた。遺伝子レベルでの検討では、HSおよびHIの給与で、統計処理上の有意差はなかったが、いずれもapoVLDL II mRNA量を減少させていることが確認された。さらに、HS給与は糞中の総胆汁酸濃度を有意に増加させ、HI給与は血中の遊離脂肪酸濃度を増加させた。以上のことから、納豆給与による鶏卵コレステロールの低減化は、納豆中の脂質成分および粗繊維などめ難溶性物質が肝臓で合成されたコレステロールの卵巣への輸送を共同で阻害するとともに、コレステロールの体内からの排出や血中脂質成分のコレステロールの割合を相対的に下げることで、鶏卵に移行するコレステロール量を低下させたものと考察された。
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Research Products
(6 results)