2006 Fiscal Year Annual Research Report
siRNAを用いた小動物の腫瘍に対する治療法の開発
Project/Area Number |
18580320
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
加納 塁 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (00318388)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 篤彦 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (90011923)
丸山 治彦 日本大学, 生物資源科学部, 助手 (60434106)
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Keywords | アポトーシス / イヌ / 腫瘍 / Bol-xL / CF33 / RNAi(RNA interference) / siRNA / TUNEL染色 |
Research Abstract |
悪性腫瘍の化学療法および放射線療法に対する抵抗性には腫瘍細胞のアポトーシス抑制が関与し、特にBcl-2ファミリーが重要な役割を果たしていることが報告されている。そのため、Bcl-2ファミリーは、治療抵抗性を示す腫瘍に対する新たな分子標的として注目され、ヒトの乳腺癌細胞株、大腸癌細胞株、悪性黒色腫細胞株を用いてRNAi(RNA interference)法によってBol-2ファミリーの発現を阻害しアポトーシスを誘導させる試みが行われている。 一方、獣医領域でも腫瘍の化学療法および放射線療法おいて治療抵抗性が問題となっており、その対策が求められている。そこで、本実験では、イヌ乳腺腫瘍細胞由来株に対して、RNAi法を用いてBcl-xLの発現の阻害を検討した。 CF33(イヌ乳腺腫瘍細胞由来株)へ犬のBel-xL発現を阻害するように設計したsiRNA導入48時間経過後に細胞を回収した。得られた細胞について半定量的RT-PCR法を行った結果、Bcl-xLの発現量の減少がみられ、また、TUNEL染色陽性細胞数も、RNAiを行っていない細胞に比べRNAiを行った細胞では約5.7倍多いことから、CF33においてsiRNA導入によってアポトーシスの亢進が確認された。RNAi法を用いてBcl-xLの発現を阻害したところ、イヌ乳腺腫瘍細胞由来株のCF33においてアポトーシス亢進が見られた。したがって、siRNAを導入することでBcl-xL発現が阻害されアポトーシスを誘導することが確認された。このことから、Bcl-xLが腫瘍治療において分子標的となる可能性が示された。今後、RNAiなどによるBcl-xLの発現阻害が、化学療法および放射線療法などに対する腫瘍細胞の抵抗性に与える影響についても検討する必要があると考えられた。
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Research Products
(3 results)