2006 Fiscal Year Annual Research Report
プロテアソーム阻害剤Salinosporamide Aの合成
Project/Area Number |
18590023
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
白井 隆一 同志社女子大学, 薬学部, 教授 (80183838)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋澤 るみ子 同志社女子大学, 薬学部, 講師 (00411083)
栗山 正巳 同志社女子大学, 薬学部, 助手 (40411087)
|
Keywords | Salinosporamide A / プロテアソーム / ピペラジン / 不斉非対称化 / 不斉合成 / 全合成 / 1,2-ジオール / 1,3-ジオール |
Research Abstract |
Salinosporamide Aは細胞周期,免疫応答,アポトーシスなどさまざまな生命現象にかかわる20Sプロテアソームに対して特異的かつ非可逆的に結合して優れた阻害活性を有し、がん細胞に対しても高い細胞毒性を示すことから抗がん剤の重要なリード化合物となりうる医薬資源としてその発展が大きく期待されている。本研究ではSalinosporamide Aおよびその新規類縁体の合成に柔軟に対応できる重要合成中間体を光学活性体として十分な量を供給可能にするとともに、その新規類縁体の合成を格段に効率的に行うことを目的としている。 σ対称ジオールの不斉非対称化反応の有効な不斉リガンドとなりうるC_2-対称性を有するピペラジン型キラルジアミンDMPPをL-プロリンから合成した。次にDMPPをジクロロメタン中で塩化銅(II)の錯体とし、ジイソプロピルメチルアミンを塩基として塩化ベンゾイルにてアシル化し、σ対称性を有する1,2-ジオールおよび1,3-ジオールの不斉非対称化を検討した。1,2-ジオールについては検討した全ての鎖状、環状の1,2-ジオールで高い不斉収率を得ることに成功した。1,3-ジオールの不斉非対称化では基質の構造により不斉収率は異なるが、Salinosporamide Aの鍵中間体となりうる基質では、極めて高い不斉収率を得ることに成功した。 不斉非対称化の反応条件の検討と並行して、各基質から得られた生成物を既知の光学活性化合物に化学誘導することによりその絶対配置の決定を試みた。アシル化されていない水酸基を還元により除去することで既知化合物に導く計画であったが、立体障害が大きいためか未だその還元的除去には成功しておらず、今後更なる検討が必要である。
|