2008 Fiscal Year Annual Research Report
プロテアソーム阻害剤Salinosporamide Aの合成
Project/Area Number |
18590023
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
白井 隆一 Doshisha Women's College of Liberal Arts, 薬学部, 教授 (80183838)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗山 正巳 同志社女子大学, 薬学部, 助教 (40411087)
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Keywords | Salinosporamide A / プロテアソーム / ピペラジン / 不斉非対称化 / 不斉合成 / 全合成 / 1,2-ジオール / 1,3-ジオール |
Research Abstract |
Salinosporamide Aは細胞周期,免疫応答,アポトーシスなどさまざまな生命現象にかかわる20Sプロテアソームに対して優れた阻害活性を有し、がん細胞に対しても高い細胞毒性を示すことからその発展が大きく期待されている。本研究ではSalinosporamide Aおよびその新規類縁体の合成に柔軟に対応できる重要合成中間体を光学活性体として十分な量を供給可能にするとともに、その新規類縁体の合成を格段に効率的に行うことを目的としている。σ対称ジオールの不斉非対称化反応の有効な不斉リガンドとなりうるC_2-対称性を有するピペラジン型キラルジアミンDMPPをジクロロメタン中で塩化銅(II)の錯体とし、ジイソプロピルメチルアミンを塩基として塩化ベンゾイルにてアシル化し、σ対称性を有する1, 3-ジオールの不斉非対称化で、Salinosporamide Aの鍵中間体となりうる基質を、極めて高い不斉収率を得ることに成功した。NMRによるDMPP銅錯体の構造解析の結果より、2つのメチル基が銅イオン側に向いていることが示され、メチル基の存在が不斉識別のセンサーとしてきわめて重要であると考えられる。 不斉非対称化して得られた生成物を既知の光学活性化合物に化学誘導することによりその絶対配置の決定を試みたが、立体障害が大きいためかヒドロキシメチル基の他置換基への変換は難航している。今後更に検討して絶対配置の決定とSalinosporamide Aの重要中間体合成へと展開していきたい。
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