2006 Fiscal Year Annual Research Report
プロテインフォスファターゼが外分泌機構で果たす役割の形態機能解析
Project/Area Number |
18590192
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
齋野 朝幸 岩手医科大学, 医学部, 助教授 (40305991)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 洋一 岩手医科大学, 医学部, 教授 (40118253)
阿久津 仁美 岩手医科大学, 医学部, ポストドクター (30398482)
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Keywords | 外分泌腺 / プロテイン・フォスファターゼ / アラキドン酸 / カルシウムイオン / マウス |
Research Abstract |
外分泌機構でのプロテインフォスファターゼの役割の解明を企図して、マウス耳下腺の細胞内カルシウム濃度([Ca^<2+>]_i)変動をモニターし、反応機構を解析する実験をはじめた。共同研究施設で行っていた方法から当施設での方法に変更したところ、従来のコラゲナーゼ分離法では組織・細胞標本の収量が悪く死滅細胞も多いことから、今後研究成果報告にはさらなる安定した実験系の開発が必要ではあると思われる。標本系の作成に手間取り、表記の研究に関する研究成果は論文発表に至っていないが、現在までわかったことを列挙すると、 1.[Ca^<2+>]_iに対するプロテインフォスファターゼの影響を調べるため、各種フォスファターゼ抑制剤を使って実験を行った。calyculin Aによって、アラキドン酸誘発性Ca^<2+> entryが増強された。 2.アラキドン酸とは対照的に、プロテインフォスファターゼ抑制剤はすべてthapsigarginによって引き起こされたCa^<2+>放出およびCa^<2+>流入を減少させた。 3.プロテインキナーゼA (PKA)抑制剤のPKIによってcalyculin Aによるアラキドン酸誘発性Ca^<2+> entryの増強がほぼ完全に抑制された。 4.リアノジン受容体の抑制薬のテトラカインによってもcalyculin Aによるアラキドン酸誘発性Ca^<2+> entryの増強がほぼ完全に抑制された。 5.以上からセリン/スレオニンフォスファターゼを抑制するとPKAおよびリアノジン受容体を経るアラキドン酸誘発性Ca^<2+>上昇が抑制されることが示唆された。 今後更なるフォスファターゼの影響を検討する予定である。なお、神経器官における血管組織の反応性も平行して検討しているが、これは着実に成果を上げており、今年度はSerotonin(5-hydroxytryptamine)の薬効が組織部位で異なることを明らかにした。受容体分布が異なることが示唆された。
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