2006 Fiscal Year Annual Research Report
3次元免疫組織化学法による外分泌器官内組織幹細胞の特定と分化能の解明
Project/Area Number |
18590193
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
山科 正平 北里大学, 医学部, 教授 (90013987)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門谷 祐一 北里大学, 医学部, 講師 (10185887)
玉木 英明 北里大学, 医学部, 講師 (30155246)
林 京子 北里大学, 医学部, 助手 (30240211)
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Keywords | 発生学・形態形成学 / 実験形態学 / 組織学 / 細胞微細形態学 / 細泡分化・組織形成 |
Research Abstract |
1.90%部分切除後の再生膵における解析 再生過程にあるラット膵臓について、介在部導管をcytokeratin20で、内分泌細胞をinsulinで標識して連続切片から3次元像を作製して解析した。その結果、内分泌細胞集団は介在部導管の分枝部にまたがるようにして発達することが示された。既に、再生膵において外分泌細胞が介在部導管の最末端にあたる腺房中心細胞から生まれることを見ている。これらの所見を総合して勘案するに、(1)介在部内に組織幹細胞が存在して、切除等の刺激を受けると増殖が開始する、(2)増殖した細胞の分化の方向は、存在する部域に基づく情報に支配される、ものと判断された。位置による情報の解析が将来重要な課題になるであろう。 2.IPR反復投与による耳下腺の増殖と幹細胞の同定 5日間のisoproterenol(IPR)反復投与により、耳下腺腺房細胞の増殖と肥大が起きる。この時、増殖細胞の標識であるKi67で見ると、増殖は腺房細胞と介在部導管細胞に顕著である。しかし総細胞数で見ると、増加は腺房細胞だけで、介在部には細胞数の増減がない。そのため増殖した介在部細胞は腺房細胞に分化したものと推定した。 3.その他の調査結果 各種条件下の介在部細胞を電顕的に形状の比較を行ったが、幹細胞となるべきものを特定できる形態上の差異は認められなかった。膵臓や耳下腺の増殖時に、幹細胞の標識になるといわれるc-kitで調査したが、陽性細胞は出現しなかった。そのため、上記1、2で見た細胞分化は骨髄幹細胞に由来するものではなく、既存の組織内幹細胞によるものと推定した。
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