2007 Fiscal Year Annual Research Report
3次元免疫組織化学法による外分泌器官内組織幹細胞の特定と分化能の解明
Project/Area Number |
18590193
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
山科 正平 Kitasato University, 医学部, 名誉教授 (90013987)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門谷 裕一 北里大学, 医学部, 講師 (10185887)
玉木 英明 北里大学, 医学部, 講師 (30155246)
林 京子 北里大学, 医学部, 助教 (30240211)
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Keywords | 発生学 / 組織形成 / 細胞分化 / 立体構築 / 分泌器官 / 組織幹細胞 / 介在部導管 / 膵臓 |
Research Abstract |
1.唾液腺介在部にある幹細胞の特定 IPRを連続投与して細胞増殖がおきる時期の耳下腺について、幹細胞候補細胞の絞り込みとその免疫組織化学的特性を明らかにするため、免疫組織化学の多重染色法により調査した。その結果、(1)介在部導管の最終末端の細胞より腺房細胞への移行が起きるものと推定された。この細胞は非刺激時には、HGF陽性、amylase陰性であるが、IPRの反復投与3日目には、amylase陽性の分泌顆粒が出現するようになり、腺房細胞に移行するらしい。(2)IPRによる刺激では、介在部細胞から導管系細胞への移行を積極的に支持する所見は得られなかった。以上より、介在部の最終末端細胞は腺房細胞へ分化する潜在能を持つが、その他の部域の細胞への分化能はなさそうだと結論した。 2.90%部分切除後の再生膵における介在部導管の分化能 部分切除後の再生膵でCytokeratin20とインスリンの多重染色を行った標本より3次元立体像を復構して、介在部導管の部域毎の分化能を調査した。その結果、介在部導管の終末端の細胞は腺房細胞に、二次介在部が分枝する部分の細胞から内分泌細胞が分化することが推定された。細胞の環境が分化の方向性を決めるものと推定されるが、これまでの形態学的調査では、分枝部細胞の周囲に特殊な間質組織の存在は特定されていない。 3.膵発生期における内分泌幹細胞の特定 胎生後期から周産期のラット膵の組織発生を3次元組織学法で調査した。その結果、背側膵芽から伸長した腺管構造の随所からグルカゴン陽性細胞が出現し、それらがまとまってランゲルハンス島を形成していた。つまり、一つのラ氏島内の細胞はクローンではなく、オリジンを異にするものの集団であることが判明した。
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Research Products
(4 results)