2006 Fiscal Year Annual Research Report
eラーニングを利用した医療安全に関する効果的な教育手法の開発
Project/Area Number |
18590492
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中島 和江 大阪大学, 医学部附属病院, 助教授 (00324781)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高階 雅紀 大阪大学, 医学部附属病院, 助手 (30221352)
倉田 義之 大阪大学, 医学部附属病院, 助教授 (80127224)
武田 裕 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20127252)
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Keywords | eラーニング / 医療安全 / シミュレーション / 体験型学習 / 教育手法 / カークパトリックモデル |
Research Abstract |
eラーニング用のコンテンツ(教材)として開発した「医療安全確保のための医療従事者間のコミュニケーション」に関するスクリプト(脚本)を用いて、病院の医療従事者を対象として、(1)シナリオの提示・熟読、(2)シナリオを用いたロールプレイ・鑑賞、及び(3)Eラーニング用画面(アニメーション)の上映・観賞を行ない、Kirkpatricモデルを参考にしたアンケート調査によりスクリプトの評価を行った。本スクリプトでは、悪い例とその解説、「SBAR状況報告」と呼ばれるコミュニケーション技術の説明、良い例とその解説を示した。いずれの方法においても、「おもしろかった」「新しい知識が習得できた」「実践で応用してみたい」「実践において効果的である」と答えた者が6〜8割であった。また、従来の講義形式の教育に比ベロールプレイやEラーニングを用いた教育の方が効果的であると答えた者が約7割であった。 平成18年12月に本スクリプトを用いてEラーニングによる医療安全教育の試用を開始した。eラーニングシステムはユーザーの利便性を考慮し、病院情報システム端末及び医学部医局にある個人用パソコンからアクセスできるようにし、個人認証は病院情報システムのID・パスワードで行うこととした。試行開始後1ヶ月の時点では受講職員は30名であったが、「おもしろかった」「新しい知識が習得できた」「実践で応用してみたい」「実践において効果的である」と答えた者はそれぞれ8割以上であった。受講者からは、アニメーション化したリアリティの高い教材で学習することや、業務多忙の医療現場ではEラーニングによる学習は効率的である等のコメントが得られた。 以上のことから、医療安全教育において、アニメーション等によるシミュレーション型教材の使用は効果的な手法であり、Eラーニングシステムの利用は教育・研修の場として、従来の集合学習より優れていることが明らかにされた。
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