2007 Fiscal Year Annual Research Report
eラーニングを利用した医療安全に関する効果的な教育手法の開発
Project/Area Number |
18590492
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中島 和江 Osaka University, 医学部附属病院, 准教授 (00324781)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高階 正紀 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (30221352)
武田 裕 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20127252)
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Keywords | eラーニング / 医療安全教育 / シミュレーション教育 / 体験型学習 / 教育手法 / インストラクショナルデザイン / 状況再現 / 問題解決能力 |
Research Abstract |
Eラーニング用教材として、多職種の医療チームにおけるコミュニケーションや連携に重点を置いた、状況再現型シナリオである「チームによる処方確認」と「薬剤投与時のヒューマンエラーと患者・薬剤確認」を作成した。また、研修医のインシデントレポートを分析し、危険予知能力を向上させるための教育上の主要領域を抽出しイラスト化した。 本院職員のEラーニング受講状況は、強制力及び学習期間を限定しないで実施したところ、導入以後8ヶ月間で、医療安全クイズが122人(対象者の7.7%)、SBAR状況報告アニメーションが55人(3.5%)で、以後受講者数は頭打ちの状況であった。一方、他病院で半強制的に1.5ヶ月に限定して実施したところ受講者は424人(26.5%)であった。 以上のことから、eラーニングを用いた医療安全の教育効果向上のためには、「教材開発システム」と「教育管理システム」の両方が必要であると考えられた。質の高い教材開発には、関係する領域の専門家の関与と予算確保が不可欠である。また、学習対象者(職種、経験年数等)、学習時期、学習内容等の体系化と適正化も必要である。さらに、職員へのeラーニングシステムの周知、学習履歴の管理・推進、職員の出入りの激しい病院での職員マスターの更新等のためには、人員配置を含む教育管理システムが必要であり、自己学習の強制力やモチベーション附与の方法は今後の検討課題である。 医療安全教育では、基本的臨床知識に加え、危険予知能力、問題解決能力、チームワーク力等を医療従事者に教授することが重要である。インストラクショナルデザインと呼ばれる教育目的にあった適切な教育方法、教材開発、教育効果の評価等が求められているが、eラーニングにおけるクイズやアニメーションを用いた状況再現型シミュレーション教材は、医療安全に関する実践的知識及び技術を教育するための有用な方法であると考えられた。
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Research Products
(7 results)