2006 Fiscal Year Annual Research Report
生体侵襲時におけるヘムオキシゲナーゼー1を介する血栓形成制御機構の解明
Project/Area Number |
18590523
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
森下 英理子 金沢大学, 医学系研究科, 助教授 (50251921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷内江 昭宏 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (40210281)
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Keywords | ヘムオキシゲナーゼー1 / 血栓形成 / 酸化ストレス / 炎症 / 組織因子 |
Research Abstract |
ヘムオキシゲナーゼ(HO)はヘム分解の律速酵素であると同時に、細胞を酸化ストレスかによる傷害から守る細胞保護蛋白である。われわれが経験した世界第一例のHO-1欠損症患者は、持続する発熱、肝腫大、血管内皮傷害による溶血性貧血、DIC様の著明な凝固・線路系の亢進を認めた、さらには単球系の機能異常も認めた。そこで、今回の研究は、HO-1が、血栓形成阻害に果たす役割を末梢血単球、血管内皮細胞における凝固・線路系因子の産生調節を中心にin vivo及びin vitroにおいて明らかにすることを目的とした。 1.Epstein-Barrウイルス形質変換B細胞株(lymphoblastic cell line, LCL)の樹立(谷内洋担当)正常対照ならびに、HO-1欠損患者の末梢血から分離した単核球より、LCLを樹立した。これらの細胞株は継代培養を繰り返すので、生体内における二次的な変化の影響を除外して評価することが可能である。 2.種々のストレス刺激による患者・および正常対照LCLでのHO-1の発現と凝固因子の発現(森下担当) 患者LCLにおける各濃度のヘミン添加によるHO-1産生を正常対照と比較したところ、HO-1 mRNAは正常対照では無添加でも既に微量ながらも発現を認め、ヘミン添加により、濃度依存性に増加した。一方、患者LCLではHO-1の発現は刺激後も認めなかった。 また、リポポリサッカライド(LPS)での刺激を検討したが、添加によりHO-1や組織因子(TF)の発現に変化を認めなかった。培養上清中のサイトカイン(IL-1、TNF-α)を測定したところ、サイトカインの上昇も認めず、LPS添加ではLCL細胞に刺激が加わらない可能性が示唆された。
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