2007 Fiscal Year Annual Research Report
保存血清を用いた慢性肝炎の進展促進要因に関する症例対照研究
Project/Area Number |
18590626
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Research Institution | Radiation Effects Research Foundation |
Principal Investigator |
大石 和佳 Radiation Effects Research Foundation, 広島臨床研究部, 臨床検査科長 (20393423)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 佐枝子 財団法人放射線影響研究所, 広島臨床研究部, 部長 (70359454)
JOHN Cologne 財団法人放射線影響研究所, 統計部, 顧問 (50344411)
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Keywords | B型肝炎ウイルス / C型肝炎ウイルス / 慢性肝炎 / 肝線維化 / 肝細胞癌 / 生活習慣 / 肥満 / コホート内症例対照研究 |
Research Abstract |
本研究の目的は、肝細胞癌(HCC)発症におけるB型肝炎ウイルス(HBV)およびC型肝炎ウイルス(HCV)感染、肝線維化の程度、生活習慣などのリスク因子の寄与について検討し、慢性肝炎の進展促進要因を明らかにすることである。我々は、1958年から長期追跡を行っている成人健康調査集団の保存血清を用いてコホート内症例対照研究を行った。224名のHCC症例と、性、年齢、都市、血清保存時期・保存方法を一致させた644名の非HCC対照例が、放射線量に基づくカウンターマッチング法を用いて選別された。単変量解析は、HBVおよびHCV感染、飲酒、喫煙、肥満度(BMI)、糖尿病がHCCリスクの増加に寄与する一方で、コーヒー摂取がHCCリスクの低下に寄与することを示した。HCCの多変量相対リスク(95%信頼区間)は、HBV感染のみで45.8(15.2-138)、HCV感染のみで101(38.7-263)、HBVとHCVの重感染で70.7(8.3-601)、エタノール換算40g/日以上の飲酒で4.36(1.48-13.0)、HCC診断10年前のBMI>25.0kg/m^2の肥満者で4.57(1.85-113)であった。さらに肝線維化の程度を調整しても、HBVおよびHCV感染とBMI>25.0 kg/ m^2は、独立したリスク要因として残った。また、HCV感染者において、BMI1.0kg/m^2増加に対するHCCの相対リスクは1.39であり(P=0.003)、有意な相乗的交互作用が認められた。HCCの発症予防のために、生活習慣に気をつけて、過剰体重をコントロールすることは、慢性肝疾患、特にC型慢性肝炎の人において重要であると考えられる。
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Research Products
(8 results)