2007 Fiscal Year Annual Research Report
ウールリッヒ病およびベスレムミオパチーの病態解明と治療法開発に関する研究
Project/Area Number |
18590953
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
樋口 逸郎 Kagoshima University, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (80183573)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高嶋 博 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (80372803)
有村 公良 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (20159510)
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Keywords | HSP47 / ウールリッヒ病 / ベスレムミオパチー / トロンボモジュリン |
Research Abstract |
コラーゲン特異的分子シャペロンであるheat shock protein 47(HSP47)の発現異常を検索したところ、dystrophinopathyおよび福山型先天性筋ジストロフィーでは線維化結合織と周辺筋基底膜にHSP47の発現がみられたが、6型コラーゲン遺伝子異常を有するウールリッヒ病(UCMD)およびベスレムミオパチー(BM)では筋基底膜の発現は少なく,結合織のみに発現していた。UCMDおよびBMにおける筋基底膜上のHSP47の発現低下は筋再生異常に関与する可能性がある。 これまでの研究でUCMDの皮膚および培養線維芽細胞においてfibronectin受容体の発現が著明に低下し、6型コラーゲンの欠損が細胞接着にも影響を及ぼすことを証明していた。以前我々が別疾患筋組織での発現を報告したトロンボモジュリン(TM)は、近年接着分子として働く可能性が注目されており、今回ヒト可溶性リコンビナントTM(rTM)を用いた実験系を組み、rTMがUCMD患者培養線維芽細胞の接着能と増殖能を改善することを証明した。rTMの作用機序は未だ明らかではなく、複数の生理活性部位をもつrTMが、接着・増殖・分化を行う細胞活動の中で、複雑な作用を示している事が予想される。今後、UCMD患者の筋細胞・筋芽細胞に与えるrTMの影響を究明し、細胞接着異常をきたす他の筋疾患を含めて、治療に応用できる可能性を追求していきたい。
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Research Products
(3 results)