2006 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚リンパ管内皮細胞の遊走および管腔形成機構の研究
Project/Area Number |
18591251
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
村上 信司 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (50175626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平川 聡史 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (50419511)
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Keywords | 皮膚 / リンパ管 / 管腔形成 / シグナル伝達 / STAT3 |
Research Abstract |
(1)ヒト皮膚由来血管及びリンパ管内皮細胞の分離培養。 ヒト正常皮膚の脈管において、CD34は血管に特異的であり、CD31は血管・リンパ管に共通する細胞表面マーカーである。CD34及びCD31に対する2つのモノクローナル抗体を用いて、正常ヒト皮膚から選択的に血管及びリンパ管細胞を単離した。すなわち、ヒト包皮をヒトディスパーゼ/コラゲナーゼで処理し、細胞懸濁液を作成した。この後、マグネット・ビーズで標識した抗ヒトCD34抗体を用いて血管内皮細胞を細胞懸濁液から除去し、続いて抗CD31抗体によりリンパ管内皮細胞を得た。二つの異なる内皮細胞は、それぞれ組み換えヒトVascular endothelial growth factor蛋白を添加した条件で初代培養を行った。細胞培養液は、20%ウシ血清添加EBMを用いた。 (2)血管及びリンパ管内皮細胞の特異性の同定。 正常皮膚において、VEGFR-1は血管で特異的に発現する。一方、Prox1,LYVE-1はリンパ管に特異的である。従って、血管及びリンパ管内皮細胞単離技術の選択性を確認するために、VEGFR-1,Prox1,及びLYVE-1の発現を同定すべく、双方の細胞に由来するRNAを用いてリアルタイム定量的RT-PCRを行った。この結果、血管内皮細胞におけるVEGFR-1の発現は血管に優位である一方、Prox1及びLYVE-1の発現はリンパ管内皮細胞に優位であった。以上より、血管及びリンパ管内皮内皮細胞を選択的に単離・培養する技術が確立した。 (3)無細胞蛋白合成系を用いたリンパ管内皮細胞特異的発現蛋白の合成 Prox1,LYVE-1のcDNAを小麦胚芽無細胞蛋白質合成用プラスミド・ベクターpEUE01に組み込み、無細胞蛋白合成系で蛋白質を発現した。精製を行った後、十分な収量が確認されたため、次年度は特異抗体の作成を目指す。
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