2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18591388
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
窪田 宜夫 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (20046139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鹿野 直人 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助手 (80295435)
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Keywords | 生存シグナル / 放射線増感効果 / アポトーシス / apigenin / sulforaphane / Bcl-2 / Apaf-1 |
Research Abstract |
腫瘍細胞では細胞内生存シグナルの活性化が、多くの細胞で観察されることは良く知られた現象である。癌細胞はこの生存シグナルが抑制されると、アポトーシスが引き起こされ、細胞死が誘発されることが様々な癌細胞で観察されている。現在まで多くの生存シグナル阻害剤が、抗癌剤としての可能性について検討されてきた。そしてこのような生存シグナル阻害剤は、放射線との併用で、癌細胞に対して放射線増感効果が見られる場合がある。一方、癌の疫学研究より、植物由来のフラボノイドなどは癌発生の抑制作用があり、これには細胞内の生存シグナル阻害が関与していることが報告されている。そこで我々は植物由来のフラボノイドであるapigenin、あるいはブロッコリーの新芽に多く含まれるsulforaphane(SFN)と放射線との併用実験を行った。apigenin実験にはヒト肺癌由来のSQ-5細胞、sulforaphaneの実験にはヒト膵臓癌由来のMIA PaCA-2とPANC-1細胞を用いた。ApigeninとSFNは両者とも癌細胞の放射線感受性を大きく増強した。このメカニズムとしては、apigeninでは細胞内のアポトーシス抑制に働くBcl-2が薬剤により抑制され、またSFNではアポトーシス促進に働くApaf-1の発現の増強が観察された。さらにSFNではBcl-2のもともとの発現の見られない細胞では、放射線増感効果はあまり大きくなく、Bcl-2の発現が見られる細胞では非常に大きな放射線増感効果が観察された。これらの結果は、apigenin、SFNともに、放射線治療での放射線増感剤として有益である可能性を示唆する。
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Research Products
(3 results)