2006 Fiscal Year Annual Research Report
コラーゲン合成制御によるスキルス胃癌間質の線維化、硬化抑制に関する基礎的研究
Project/Area Number |
18591482
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
菊池 史郎 北里大学, 医学部, 講師 (30161417)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 和宏 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (50127114)
安達 栄治郎 北里大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30110430)
二渡 信江 北里大学, 医学部, 助手 (40306600)
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Keywords | 胃癌 / スキルス / コラーゲン / 線維芽細胞 / HSP47 / 間質制御 |
Research Abstract |
本研究では、スキルス胃癌組織の主要構成成分である癌細胞、線維芽細胞、コラーゲンの相互作用を再現した実験モデルを開発し、コラーゲン産生の抑制が新たな治療戦略となりうるかについて検討することを目的としている。 (1)実験モデルの開発:閉鎖式循環培養装置(BKR-05, ABLE Biott)によるコラーゲン高密度培養組織は、線維芽細胞と共培養することにより、ヌードマウス皮下に最高21日間豊富な間質性分を保ちつつ、100%の割合で癌細胞を移植させることが可能となった。 (2)siRNAのデザイン開発と抑制効果の評価:コラーゲン産生抑制の標的分子としてHSP47を選択した。この蛋白質をcodeする遺伝子(SERPINH1)をtargetとしてsiRNA2種類(Hs_SERPINH1_1HP)(Hs_SERPINH1_2HP)をデザインし、リアルタイムPCR(Light Cycler 2, Roche)によるmRNAの発現抑制を確認した。抑制効果の高かったHs_SERPINH1_2HPを使用し、実験モデルにて抗腫瘍効果を確認するも、明らかな形態的な変化を認めなかった。7日目にはm-RNA量が増加し始めており、抑制効果が持続しないことが一因と考えられた。 (3)レトロウイルスによるsiRNA導入:持続的なsiRNAの抑制効果を得るために、実験で使用したsiRNAの配列を持つプラスミドベクターをレトロウイルスに導入した。このウイルスを細胞株に感染させた後3継代を経た細胞は、感染前の細胞株と比較し相対的にmRNAの発現量が8%にまで抑制されていた。 直接siRNAを導入するだけでは、抑制効果が持続せず、抗腫瘍効果を評価することは出来ない。しかし、現在作成中のレトロウイルスによるsiRNA導入株では、コラーゲン産生抑制に伴う抗腫瘍効果の評価が可能となるものと考えている。
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Research Products
(2 results)