2007 Fiscal Year Annual Research Report
胆管閉塞時にみられるパイエル板萎縮のメカニズムについて
Project/Area Number |
18591511
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
横山 幸浩 Nagoya University, 医学部附属病院, 助師 (80378091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梛野 正人 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20237564)
安部 哲也 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (90378092)
西尾 秀樹 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (30345897)
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Keywords | 胆管結紮 / PPARγ / GW9662 |
Research Abstract |
肝臓においては、「エタノール、LPS、出血性ショックによる肝障害でPPARγが防御的に働いている」という論文が、これまでに報告されている。しかし、胆管結紮モデルに伴う肝障害においては、検討がなされていなかった。そこで、我々は、「胆管結紮モデルに伴う肝障害におけるPPARγの役割」について検討を行うことにした。まず胆管結紮を行うことによってPPARγが活性化されることを確認した。さらに今年度は、PPARγアンタゴニストである、GW9662を使用することにより、胆管結紮後にPPARγの肝障害抑制のメカニズムを解明するために、1.肝障害の主要因子と考えられる肝臓での炎症性サイトカイン産生2.ストレス下に過剰産生され、肝臓の微小循環を障害すると言われているエンドセリンやトロンボキサンなどの血管収縮因子の産生3.それ自体が細胞障害を起こす活性酸素種の産生などを検討した。その結果、炎症に関連するサイトカインが、いずれも胆管結紮後に上昇し、GW9662を使用することにより、この変化がさらに増強することを確認した。さらに、血管収縮因子であるエンドセリンやトロンボキサン合成酵素の遺伝子発現においても同様の傾向がみられた。これらのことより、PPARγが胆管結紮後の肝障害に重要な役割を果たしていることが確認され、PPARγの活性化は胆管閉塞に伴う肝障害治療のターゲットとなりうる可能性が示唆された。本研究の成果は論文としてまとめ現在投稿中である。
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Research Products
(4 results)