2007 Fiscal Year Annual Research Report
ドナー肺への自己骨髄細胞癒合による肺再生に関する実験的検討
Project/Area Number |
18591543
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
岩田 尚 Gifu University, 医学部附属病院, 講師 (90303495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹村 博文 岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20242521)
白橋 幸洋 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (40362149)
松本 真介 岐阜大学, 医学部附属病院, 医員 (40397352)
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Keywords | 呼吸器外科学 / 肺移植 / 肺再生 |
Research Abstract |
本研究では、移植肺にレシピント骨髄幹細胞を経気道的、経脈管的に移入することにより、 1)移植肺での肺胞でのsurfactant能の改善によるP/F比の低下の回避 2)虚血再潅流障害による移植肺組織ダメージに対する機能回復 3)移植肺組織にレシピエント細胞をハイブリッドさせ、抗原性の低い肺組織に変換し、移植肺をマトリックス基盤とした自己肺の再生を検討することを研究目的とした。 F344ラットへWKAHラット肺を移植し、拒絶反応の程度を検討した。その結果として移植後3日目、5日目の拒絶反応は、ISHLT(International Society of Heart and Lung Transplanatation): Acute Rejection scoreでは、3日目1.3±0.5であり、5日目3.7±0.5であった。血管のIntimal hyperplasia, peribronchiolar fibrosisは、両者とも認められなかった。ISHLT: airway inflammmation scoreは3日目1.3±0.8であり、5日目3.5±0.5であった。以上から3日目の中等度の拒絶反応の状態がマトリックス基盤として適当と考えられた。これを344へ再移植し拒絶反応がこれ以上進行しない条件下での自己細胞による肺再生能を検討した。30日、60日においてもAcute Rejection scoreは1.2±0.4,0.5±0.5であり、airway inflammmation scoreも1.2±0.4,1.5±0.5と遷延し、肺の修復機転を来さなかったことが組織的に確認された。以上から骨髄細胞移植は期待通りの結果が得られる可能性が低いと判断した。5日目の高度の拒絶反応の肺の再移植では、慢性拒絶反応のモデルになりうる可能性を認めたため、この知見をまとめ、J Heart and Lung Txに投稿し、掲載許可を得た。
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