2007 Fiscal Year Annual Research Report
てんかんの焦点検索に有用な脳血管内脳波に用いる血管内導出電極の改良と臨床応用
Project/Area Number |
18591597
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
兵頭 明夫 University of the Ryukyus, 医学部, 准教授 (40167606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉井 與志彦 琉球大学, 医学部, 教授 (50110507)
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Keywords | 脳・神経 / 血管内治療 / 脳波 / てんかん / 血管内導出電極 |
Research Abstract |
てんかんの脳深部に存在する焦点の検索には、脳血管内脳波が重要な検査法となると思われるが、現在の問題点は専用の血管内導出電極がなく、ある種のマイクロガイドワイヤーを流用せざるを得ないため、脳波収集領域がピンポイントでない、単極誘導しかできないなどの欠点を克服できずにいた。本研究の目的はこれらの欠点を克服すべく、従来開発された脳血管内脳波に用いる血管内導出電極に改良を加え、より安全確実に目的とする脳血管内に留置可能な状態の血管内導出電極を作成し、動物実験にてその安全性と有効性を確認した後、臨床応用を行い、その有用性を検討することである。 昨年度の研究として、新しい血管内導出電極を作成し、実験用ブタを用いて脳波記録を行った。新しい血管内導出電極は現在入手可能な最も細いマイクロカテーテルの表面に導線をコーティングする方法で作成した。先端部4極の血管内導出電極として作成したものを用い、実際にブタの大腿動脈から頭蓋底部血管内へと導入し脳波を測定した。同時に行った脳表からの脳波記録と比較し、血管内から脳波が記録されていることを確認した。これらの結果を基に、さらに本年度は実際の臨床応用に向けて学内倫理委員会の承認を得るなど、臨床応用に向けての準備を行い、難治性てんかんの症例に対し、十分なinformed consentが得られた場合に、作成した新しい血管内導出電極を用いて脳血管内脳波を行う予定であった。 我々は既に2,100例以上、本年度も200例近い症例に脳神経血管内治療を行い、技術的には新しい血管内導出電極の臨床応用は十分に可能であったが、本年度は難治性てんかんの症例が無く、さらに研究代表者が他施設に移動する可能性が出てきたりと、臨床応用に向けての動きを実現化することができなかった。従って本年度は昨年度作成した血管内導出電極が実用化可能であることを実験的検討で行うにとどまった。
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