2006 Fiscal Year Annual Research Report
気相-液相界面の喉頭癌細胞増殖・浸潤活性化における細胞膜マイクロドメインの役割
Project/Area Number |
18591871
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
戸田 修二 佐賀大学, 医学部, 助教授 (80188755)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉富 勇一郎 佐賀大学, 医学部, 助教授 (30225247)
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Keywords | 気相-液相界面 / 咽頭癌 / 扁平上皮癌 / 細胞膜マイクロドメイン / カベオリン / 増殖 / 浸潤 / コレステロール阻害剤 |
Research Abstract |
気相-液相界面刺激により、扁平上皮癌細胞の増殖や浸潤が促進された。気相-液相界面の有無にかかわらず、癌細胞の細胞膜マイクロドメイン分子であるcaveolinは同定されたが、flotillin, stomatinは、発現が一定せず評価できなかった。更に、気相-液相界面刺激では、caveolinの発現が亢進した。免疫沈降では、caveolinとRas/MAPK経路分子、MMP、filamin Aとの結合能は確認できなかった。気相-液相界面刺激では、癌細胞膜マイクロドメイン分子であるcaveolinの発現亢進が見られた。また、Ras/MAPK経路、MMP, filamin Aの発現との相関が見られた。コレステロール阻害剤の投与では、癌細胞の浸潤性増殖の抑制が見られ、同時にRas/MAPK経路,MMP, filamin A, caveolinの発現の低下が見られた。しかし、高濃度のコレステロール阻害剤は、癌細胞の変性壊死を誘導した。以上のことより、以下のことが考えられる。 1)気相-液相界面刺激では、扁平上皮癌細胞の細胞膜マイクロドメインの主要な分子は、flotillin, stomatinではなく、caveolinと考えられる。 2)caveolin分子とRas/MAPK経路分子、MMP、filamin Aとの結合能はない。 3)気相-液相界面刺激誘導性の扁平上皮癌細胞の浸潤性増殖促進では、caveolin分子とRas/MAPK経路分子、MMP、filamin A発現促進相関には、他の分子が仲介していると考えられる。 4)コレステロール阻害剤は、癌細胞細胞膜マイクロドメイン分子であるcaveolinの阻害を介して、Ras/MAPK経路, MMP, filamin A発現を低下させ、癌細胞の浸潤性増殖を抑制するもとの考えられる。 以上の知見をふまえて、平成19年度は、ヌードマウスを用いたin vivoの実験で、研究課題に取り組む予定である。
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