2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規眼科手術補助剤のあたらしい可能性の検討とその臨床応用
Project/Area Number |
18591925
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
江内田 寛 九州大学, 医学研究院, 助手 (00363333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
園田 康平 九州大学, 医学研究院, 助手 (10294943)
畑 快右 九州大学, 医学研究院, 講師 (90346776)
石橋 達朗 九州大学, 医学研究院, 教授 (30150428)
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Keywords | Brilliant Bleu G / 手術補助剤 / P2X7アンタゴニスト / 増殖抑制 / 神経保護 / 抗炎症作用 / 臨床治験 |
Research Abstract |
(1)Brilliant Bleu G (BBG)の手術アジュバントとしての臨床研究の継続 BBGの手術補助剤としての安全性評価の追加として、誤って網膜下に迷入した場合を想定し、ラット網膜下にBBGを注入したが、その結果0.25mg/ml以下の濃度であれば、明らかな組織障害を認めなかった。2004年より九州大学病院で実施している臨床試験は症例数を増加し、実際の手術において良好な結果が得られたため、バイオベンチャー企業と共同して米国FDAでの臨床治験の申請を行い、Phase IIIからの治験実施が決定した。 (2)BBGのあたらしい可能性の検討 BBGには本来の色素としての働きのほか、ATP受容体であるP2X7のアンタゴニストとしての薬理作用を有するといわれている。P2X7の生体内での役割は未だ不明な部分が多く、特に視覚器でのはたらきはほとんど解明されていない。そこでまずP2X7ノックアウトマウスを用いその発生・成長過程における網膜での形態と機能について解析を行った。4、10、40週で検討したがWild typeと比較して明らかな形態学的相違は認めなかった。さらに網膜電図(ERG)を用いて比較したが、波形や最大振幅に差は認められなかった。以上より少なくとも網膜の発達に関してはP2X7が重要な役割をはたしていないことが予想された。さらに増殖糖尿病網膜症症例で得られた膜を用いP2X7の発現を検討したところ、mRNAレベルでの発現が確認された。現在P2X7の細胞内情報伝達系の解析を行うと同時に、ぶどう膜炎などの炎症性疾患における本受容体の関与を組織学的、細胞生物学的に明らかにする検討を行っており、BBGの増殖抑制、神経保護や抗炎症作用の可能性についての可能性の研究を継続する。
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Research Products
(5 results)