2006 Fiscal Year Annual Research Report
眼圧調整機構におけるプロスタグランジン誘導体の受容体と細胞内情報伝達経路の解明
Project/Area Number |
18591942
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
松村 美代 関西医科大学, 医学部, 教授 (30144380)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南部 裕之 関西医科大学, 医学部, 講師 (50298874)
|
Keywords | プロスタグランジンF2α / 緑内障 / 隅角線維柱帯細胞 / 眼圧下降 / 老化 / 細胞内シグナル伝達 / 生理活性 / プロスタマイド |
Research Abstract |
合成および内因性PG誘導体の情報伝達機構の解明のため、房水流出に関係する眼内各組織由来細胞培養を行った。ブタ眼球から虹彩、隅角線維柱帯、毛様体を採取して組織培養し、虹彩上皮細胞、隅角線維柱帯細胞、毛様体上皮細胞を継代培養した。カルシウムイメージング用色素Fura-2を培地に添加して細胞に吸収させた。ブタ虹彩上皮細胞に1μMのprostamideとPGF2αを含む緩衝液で還流して連続的に作用させ、蛍光顕微鏡アクアコスモスを用いてカルシウムイメージングを行い、同一視野の中で反応する細胞をカウントして細胞内カルシウムの上昇度を計測したところ、ほとんど全ての細胞で反応が見られなかった。このことから1μMのprostamideとPGF2αではブタ培養虹彩上皮細胞において細胞内情報伝達のトリガーである細胞内カルシウム濃度の上昇が見られず、生理活性がない可能性が示唆された。同様に毛様体上皮細胞において1μMのprostamideとPGF2αに対する反応を見たところ1μMのprostamideとPGF2αの両方で、一部の細胞に軽度な反応が見られた。そこで他のPG誘導体の効果も確認するため1μMのPGD2、PGE2についても同様の実験を行いそれぞれ軽度な反応を認めた。このことは、毛様体上皮細胞においては各種PG誘導体に対して細胞内カルシウムの上昇を介した細胞内シグナル伝達が起こつている可能性が示唆された。一方培養ブタ隅角線維柱帯細胞においては各種PG誘導体に対する細胞内カルシウムの上昇は見られず、ブタ隅角線維柱帯細胞に対してPGは少なくとも細胞内カルシウム濃度の上昇をトリガーとした細胞内シグナル伝達を引き起こさない可能性が示された。引き続き当科で緑内障に対する線維柱帯切除術を行う際に同意を得た患者から得られた線維柱帯細胞で行い、ブタとヒトの種差の有無を検討するべく継続中である。
|
Research Products
(5 results)
-
-
[Journal Article] Plasma concentration of pigment epithelium-derived factor in patients with diabetic retinopathy.2007
Author(s)
Ogata N, Matsuoka M, Matsuyama K, Shima C, Tajika A, Nishiyama T, Wada M, Jo N, Higuchi A, Minamino K, Matsunaga H, Takeda T, Matsumura M
-
Journal Title
J Clin Endocrinol Metab 92
Pages: 1176-1179
-
-
-