Research Abstract |
tissue dysoxiaの代表的な病態である感染性ショックを実験的に作成し,その病態解析の一手段として,腸管漿膜のtissue dysoxiaについて画像解析が可能か否か検討した。対象は日本白色ウサギを実験動物20羽とした。全身麻酔後,LPS(Escherichia coli-055:B5,DIFCO Lab.)1mg/kgを投与下,クラーク型酸素電極による回腸漿膜酸素分圧(PtO2),Palladium-Porphine静注による画像解析的生体酸素濃度測定装置(Oxy Map System)にて,回腸漿膜酸素濃度分布を経時的に解析した。この結果,エンドキシン投与により,回腸測定部位の酸素摂取率(O2ER)の低下,組織酸素分圧(PtO2)の低下,およびシャント量(O2Gap)の増加が見られた。しかし,平成18年度は,画像解析については精度の高いデータが得られなかった。どの程度の範囲のtissue dysoxiaの分布が,組織内酸素負債をきたすのか,については結論が得られなかった。Palladium-Porphine投与量,腸管漿膜におけるリン光強度の特殊性,CCDカメラの光軸のずれ,解析装置のプログラム上の問題などを改善した結果,回腸漿膜の酸素濃度に関する画像解析では,酸素分圧の分布異常が見られ,その不均一分布とシャント様効果の間に関連が見られた。エンドトキシンショックモデルにおけるtissue dysoxiaは,負の酸素分圧組織静脈較差によるものであり,そのメカニズムとして,組織中における毛細血管間の酸素分圧の不均一性が考えられた。今後,種々の治療的手毅の検証が,Pd-porphyrin phosphorescenceによる酸素代謝の画像的解析により,可能となることが明らかとなった。
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