2007 Fiscal Year Annual Research Report
分子生物学的手法を応用した小児歯科における感染性心内膜炎の臨床的細菌学的疫学研究
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18592245
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
西口 美由季 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (10253676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 卓 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00228975)
星野 倫範 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (00359960)
釜崎 陽子 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (30253678)
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Keywords | 感染性心内膜炎 / 歯科治療 / 微生物群集解析 / DGGE法 / rodA遺伝子 |
Research Abstract |
1.歯科治療と感染性心内膜炎(IE)の関連性についてのアンケート調査:歯科治療とIEの関連性を解明するために、800名の日本小児歯科学会認定医に対してアンケート調査を行った。その結果、小児歯科医はIEに対する関心を高くもっている一方で、先天性心疾患の患児の観血的な歯科治療に対しては、リスクの多少に関わらず盲目的な抗菌薬(多くはサワシリン)の予防投与を行う傾向が示唆された。また、今回の調査ではIEの発症率は2.7%で、歯科処置が必ずしもその原因とはいえない傾向が示されたものの、発症例では投与された抗菌薬の量がやや低量である傾向も示唆された。 2.歯科治療とIEの因果関係を明らかにするための微生物群衆解析法の確立:歯科治療とIEの因果関係を明らかにするための手段として、本年度はrod shape determining protein遺伝子(rodA)遺伝子を用いたDGGE法による微生物群衆解析法の開発を行った。まず、ヒト口腔内から検出される可能性の高い口腔連鎖球菌の標準菌株全27株を選択し、PCR法でrodA遺伝子を増幅した。PCRで使用したプライマーと同じものを用いて増幅産物をダイレクトシークエンスし、その塩基配列を決定した。次に得られた連鎖球菌標準菌株のrodA遺伝子に関する遺伝系統解析を行うとともに、そのGC含有率からTm値を算出し、DGGE法におけるの各菌種毎の泳動パターンに差異が検出できるようなDNAの変性条件(尿素の濃度、泳動温度)を決定した。この条件下で連鎖球菌標準菌株全27株のrodA遺伝子増幅断片を電気泳動し、菌種毎の泳動パターンをプロファイリングした。これにより、唾液から直接抽出した細菌DNAをテンプレートに増幅した遺伝子断片の泳動パターンと上記の標準株の泳動パターンの比較により、網羅的に唾液中の微生物群衆を解析することが可能となった。
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