2007 Fiscal Year Annual Research Report
分娩時の安全性と質保証を基盤とした看護人員配置に関する看護経済学的検証
Project/Area Number |
18592332
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
齋藤 いずみ Health Sciences University of Hokkaido, 看護福祉学部, 教授 (10195977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 道子 北海道医療大学, 看護福祉学部, 准教授 (50341681)
遠藤 紀美恵 北海道医療大学, 看護福祉学部, 講師 (70382504)
坂梨 薫 横浜市立大学, 医学部, 教授 (60290045)
成田 伸 自治医科大学, 看護学部, 教授 (20237605)
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Keywords | 分娩 / 安全 / 看護 / 人員配置 / 満足度 / 質 / 曜日 / 時刻 |
Research Abstract |
目的と背景および経過 本研究は、「分娩の曜日別・時刻別分布を調査し、科学的根拠に基づき分娩時の安全性や看護配置を考察するための研究」、および「産婦の分娩に対する満足度や自己評価を測定する研究」の二つの部分からなる。平成18年度は、「分娩に対する産婦の満足度や自己評価の測定方法」に関し、日本語版質問紙への改良などの準備、平成19年に全調査を実施した。平成19年の調査は、先行研究に関連し、「産科医療の集約化以前と、集約化実施後の、分娩曜日、時刻の分布や分娩の重症度、看護配置を比較する」部分、「分娩時の医療や看護に対する患者の満足や自己評価」部分からなり、前者は北海道における産婦人科医療の集約におけるモデルA病院のみで、後者はAおよび主に産科に特化した分娩規模の大きいB病院で実施した。 研究方法齋藤が開発した「分娩属性調査シート」により分娩曜日・時刻、重症度、陣痛発来の種類、分娩時の処置などの情報を収集した。後者の実施のためにDiane Lindo Kintzらにより北米で開発されたNursing Support in Labor Questionnaire(NSILQ)質問紙、ならびに常盤の出産体験自己評価尺度と二種類の出産体験に対する調査を実施した。 結果A病院の分娩数は、集約化以前2003年一年間で244例、集約化後2006年は528例、約2倍になっていた。産婦の年齢構成、分娩様式、母体の重症度には大きな違いがなかった。分娩曜日、分娩時刻の分布に特徴的変化は見られなかった。吸引分娩、予定帝王切開、緊急帝王切開の割合は、特に変化はなかった。これら記述統計や統計分析、臨床助産師との討論会より、分娩内容や重症度、方針の大変化というより、分娩数の倍増により数の変化が大きい。産婦の出産の看護に対する評価であるNursing Support in Labor Questionnaire(NSILQ)の得点は、5点満点中20項目の平均が4.63であった。これは北米の結果に比べ高かった。常盤の出産満足度自己評価得点と、分娩の重症度は関連していた。遷延分娩や、緊急帝王切開は自己評価が低くなっていた。
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