2006 Fiscal Year Annual Research Report
心理教育を受ける統合失調症患者の服薬アドヒアランスおよび症状管理成果指標の開発
Project/Area Number |
18592415
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
松田 光信 福井大学, 医学部, 助教授 (90300227)
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Keywords | 心理教育 / 精神看護 / アドヒアランス / 中範囲理論 / 介入研究 / 質的研究 |
Research Abstract |
本研究の全体構想は、心理教育プログラムを受ける統合失調症患者の服薬アドヒアランスと症状管理に関する中範囲理論を構築し、これを理論基盤とした統合失調症患者に対する心理教育成果指標を開発することによって、患者に対する心理教育の成果研究へと発展させることである。初年度にあたる今年度の目的は、心理教育プログラムを受ける統合失調症患者の服薬アドヒアランスおよび症状管理に関する中範囲理論を構築に着手することであった。これの目的を達成するために、複数の精神科急性期治療病棟を有する研究協力施設との詳細な打ち合わせをし、計画書通りに心理教育開始前後に患者本人の服薬と精神症状に関する認識を把握するための個別インタビューによるデータ収集を実施した。また、このデータ収集と同時に継続的比較分析も実施している。 中間結果によると、患者本人の服薬アドヒアランスは、患者が抱く服薬に対する疑念または恐怖感や、医療者および家族への不信感によるところが極めて大きい。この背景には、患者本人が自らの病気や治療について、理解または納得できるだけの十分な説明を受けることができない精神医療の現状があった。しかし、心理教育を受けた患者の多くは、各々の過去から現在に至る生活経験に照らして、服薬そのものや医療者および家族を信頼するようになった。そして、今後、服薬を継続する意思を語った。
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