2007 Fiscal Year Annual Research Report
心理教育を受ける統合失調症患者の服薬アドヒアランスおよび症状管理成果指標の開発
Project/Area Number |
18592415
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
松田 光信 University of Fukui, 医学部, 准教授 (90300227)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 正治 久留米大学, 医学部, 准教授 (60248408)
安保 寛明 東北福祉大学, 健康科学部, 講師 (00347189)
河野 あゆみ 福井大学, 医学部, 助教 (20401961)
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Keywords | 心理教育 / 精神看護 / アドヒアランス / 中範囲理論 / 尺度開発 |
Research Abstract |
今年度の計画は、平成18年度より開始した本研究の第一段階「心理教育プログラムを受ける統合失調症患者の服薬アドヒアランスと症状管理に関する中範囲理論の構築」の結果に基づき、統合失調症患者に対する心理教育成果指標を開発するための服薬アドヒアランスに関する質問紙を作成することであった。質問紙の作成過程では、共同研究者および研究協力者の検討会を持ち、アドヒアランス研究のレビュー、服薬アドヒアランスに関する質問項目の検討および決定、その他、アドヒアランス測定ツールについて検討した。結果,94項目からなる服薬アドヒアランスに関する質問紙を作成した。また、服薬アドヒアランスの認識と行動との関連性を検討する目的で、行動測定用具にMicroelectronic monitoring System(MEMS)の使用を検討したが、それを使用しての服薬は本邦の処方状況にそぐわないことから見送り、現在その他の行動測定用具の使用について検討中である。 平成19年度は、作成した94項目からなる質問紙と併存妥当性検討用の複数の自記式および他記式質問紙の使用可能性を検討するための事前調査を実施した。この事前調査は、北陸地方の精神科単科病院に通院する患者31名(男性22名;71%,女性9名;29%)の協力を得て実施した。結果、回答所要時間は約30-60分であり回答に伴う患者への負荷が多少かかるものであったが、患者が精神的変調を来たすことはなかった。また、服薬および病気に関する知識を多くもつ患者は薬への安心感が大きく、薬の重要性を高く認識する患者は服薬に対して肯定的な態度をとる傾向があった。さらに、服薬を主体的にしている患者は少ないことが示唆された。来年度は、今年度作成および検討した質問紙を使用して、複数施設での本調査を実施する。
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Research Products
(3 results)