2007 Fiscal Year Annual Research Report
新たに開発した運動器障害性慢性痛モデル動物の病態のシステム・分子レベルからの解析
Project/Area Number |
18613020
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
熊澤 孝朗 Aichi Medical University, 医学部, 教授 (20022775)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本多 たかし 福島県立医科大学, 看護学部, 教授 (20165608)
大石 仁 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (00252461)
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Keywords | 慢性痛 / 動物モデル / 筋障害 / 免疫組織 / 分子生物 / 自律神経 / 脊髄 / グリア |
Research Abstract |
今年度は開発した2種類の運動器障害性慢性痛モデルラットのうち、1側下肢2週間ギプス固定で作製する筋不動化モデルの解析に的を絞った。 病態の自律系反応の解析として、体内留置式血圧プローベを埋め込んだ後にモデルを作製し、痛み行動の測定と共に覚醒下血圧を経時的に記録し、さらに各病態時相で冷環境刺激に対する反応を記録した。週齡をあわせた正常群を作製し比較を行なった。安静時血圧は、ギプス固定後2〜3日をかけて上昇し、固定中の2週間はその上昇を保ったままだった。ギプス除去後2時間程度で痛みが発生し出すが、安静時血圧はギプス除去後より低下を始め、数日かけて正常群より有意に低い値まで低下し、その後10週間以上に渡って低い値で安定し続けた。血圧変動の周波数解析から、固定中には交感神経活動の亢進状態が見られ、ギプス除去後には交感神経活動が低下していることが示唆された。一方、冷環境刺激に対する反応性は、固定中および除去後ともに正常群より高かった。慢性の痛みを起こしている状態では、安静時の交感神経活動は低下しているが、刺激に対する反応が正常よりも高くなっていることが示唆された。 免疫組織学的解析として、痛みが発生するギプス除去後1日目、足底の痛みが最も強い6週目、その痛みが減弱傾向を示す13週目における脊髄グリア細胞の活性を調べ、正常群と比較した。脊髄サンプルは、両側性に痛みを発する足底および遅れて痛みを発する尾に的を絞り、L4と尾髄とした。ミクログリアは、L4において除去後1日目に活性が高く、尾髄では6週目に高かった。アストロサイトは、L4において6週目で両側性に活性がみられ、痛みの維持に関与していると考えられた。 分子生物学的解析として、障害部である筋と脊髄のIL-6およびBDNFのmRNA発現の定量(PCR)を予備的に行なった。
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Research Products
(9 results)