2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18653028
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
森田 英樹 Hiroshima University, 大学院・教育学研究科, 講師 (70265940)
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Keywords | 賃貸価格 / 地租法 / 土地賃貸価格調査 / 税制改革 / 税制整理 / 新地租大綱 |
Research Abstract |
平成19年度の中心となる具体的な研究は、大正末の「土地賃貸価格調査」事業、ならびに、昭和6年制定の「地租法」であった。 大正13年に成立した加藤高明内閣は、税制の一大整理・改革を企図した。翌年、大蔵省内に税制調査会が設置され、大綱が決定された。これを受けて、大正15年1月の第51回帝国議会に、税制整理の諸法案が提出された。地租については、税負担の公平性の確保のために、課税対象を「賃貸価格」とすることが提言され、それをもとに、「土地賃貸価格調査法案」が提出された。同法施行を受けて、大正15年9月から昭和2年5月までの期間に調査が実施された。その後、内閣交代などもあったが、賃貸価格に基づく、土地税制改革への作業は継続され、昭和4念の浜口内閣のもとで、「新地租大綱」が決定された。そして、課税対象としての地価は「賃貸価格」となり、税率は4.5%と決定された。その後、ロンドン軍縮会議の影響により、税率は3.8%へと引き下げられた。そして、昭和の地租改正ともいえる「地租法」は、議会での紆余曲折を経て、昭和6年3月31日に制定された。これにより、明治初年以来、宅地・農地など地種毎に異なった基準で算定されていた課税対象としての地価が、全国統一基準により算定され、地租が賦課される事になった。 最後に、平成19年の秋から体調を崩し、蒐集した史料を十分に分析できず、その結果、本研究との関係での依頼原稿も含め、活字化が行えなかった。お詫びすると同時に早く、活字化して研究成果を公表できるように努力する。
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