2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18685019
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
上野 隆史 名古屋大学, 理学研究科, 助手 (70332179)
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Keywords | 超分子 / 複合化 / バクテリオファージ / ナノバイオ / 金属錯体 |
Research Abstract |
近年、球状、チューブ状ウイルスなどの生体超分子蛋白質を利用し、金属微粒子などの機能分子導入によるバイオ材料の創成が盛んに行われている。しかし、生体超分子上の金属錯体や有機分子などの反応制御、ならびに異種分子の導入例は少ない。そこで本研究では、バクテリオファージT4の部品蛋白質でありヘテロ生体超分子であるトーチ状のgp27-gp5三量体蛋白質への異種金属錯体の導入を目指し、まずgp27から成るカップ状空間への鉄ポルフィリン-マレイミド誘導体の修飾を試みた。gp5のMet3、又はAsn7にシステインを導入した(gp27-gp5_M3C/S351L)_3、(gp27-gp5_N7C/S351L)_3の二種類のシステイン変異体を作成し、システイン残基とマレイミドの反応によりポルフィリン錯体を導入した。UVスペクトル、マススペクトルによりポルフィリン錯体が修飾されていることを確認した。さらに各複合体の結晶構造解析に成功し、予想通り、ポルフィリン誘導体がシステイン残基へ導入されている事を明らかとした。また、この結果は蛋白質分解による同定とも一致する。さらに、ポルフィリン錯体のカップ空間での反応性はフリーのものに比べて約10倍となり、蛋白質空間の有用性が示された。現在は、結晶構造をもとに、現在は高い反応活性や選択制を持つ複合体の分子設計を目指しており、蛋白質超分子の新しい機能付与の新しい方法論を確立した。
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