2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18700269
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Research Institution | Reitaku University |
Principal Investigator |
上村 昌司 Reitaku University, 国際経済学部, 准教授 (50323902)
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Keywords | ファイナンス |
Research Abstract |
Brandt=santa-Clara(2006)やBrandt, et. al.(2007)によるポートフォリオ最適化手法の特性を理論的に把握した.これらの解決法は一期間(静的)モデルの枠組みではあるが,ポートフォリオ戦略を状態変数の線形関数で記述するというモデル化をすることにより,動的ポートフォリオ戦略が構成できる点,そして最適ポートフォリオを計算する際に収益率分布の積率の推定を必要としない点が本質的であることが分かった.通常の平均分散手法によれば収益率分布の積率を推定した後,最適化により最適解を得るが,この手を推定することができる. 理論的研究により分かった事実を実証的に確かめるため.日本企業の株式データ,財務データなどをデータベース化し,最適ポートフォリオの推定を行う準備をした,この手法の特長の一つとして大規模データを用いても頑健な結果が導かれるごとが示唆されており,本研究でもこの示唆を確かめるべく大規模データを用意した.これらのデータを効率よく扱うため,本年度はデータベース構築に着手している,このデータベースは間もなく完成する予定である.次年度の研究においてはこのデータベースを用いて,最適ポートフォリオを構築する予定である. また,多期問ポートフォリオ問題の別の解法としてRockafellar=Wetsによるprogressive hedging method(PH法)の研究を行った.特にこの手法が並列処理が可能なことに着目し研究を行った.投資対象となる資産の価格過程を2項モデルにより記述される場合に対して,PH法が機能することを理論的に確かめた.現在は並列計算環境を準備しており,次年度に数値実験を行う予定である.
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