2006 Fiscal Year Annual Research Report
C3毒素発現マウスを用いた小脳における低分子量Gタンパク質Rhoの機能解析
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18700318
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
葛西 秀俊 神戸大学, 大学院医学系研究科, 助手 (40403232)
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Keywords | トランスジェニックマウス / Rho GTPase / C3 |
Research Abstract |
小脳プルキンエ細胞における低分子量Gタンパク質Rhoの機能解析を行うため、Cre-loxPシステムによってプルキンエ細胞特異的にC3毒素の発現を誘導できるマウスの作製に着手した。C3毒素はボツリヌス菌由来の体外毒素で、Rhoのすべてのサブタイプ(RhoA, RhoB, RhoC)をADPリボシル化することによって不活性化する。まず、C3毒素をコードする遺伝子をCAGプロモーター下に繋ぎ、さらにloxP配列に挟まれたミニジーンをプロモーターとC3遺伝子の間に挿入することによって、Cre依存的にC3毒素を発現するようなトランスジーンを作製した。作製したトランスジーンをマウス前核期受精卵に微量注入し、偽妊娠マウス卵管に移植した。その結果、合計4系統のトランスジェニックマウスが得ることができた。それぞれのトランスジェニックマウス系統を、小脳プルキンエ細胞特異的にCreを発現するノックインマウスと交配し、プルキンエ細胞特異的にC3毒素の発現を誘導した。しかしながら、小脳懸濁液のウエスタンブロット解析の結果、C3毒素の発現は認められなかった。これは、トランスジーンが挿入されたゲノム領域の影響により、遺伝子発現が抑制されたことや、Cre-loxPシステムが適切に働かなかったことが原因として考えられる。そこで実験の方針を変更し、Tet-OFFシステムを用いて、テトラサイクリン依存的にC3毒素の発現を誘導できるトランスジェニックマウスの設計を行い、現在トランスジーンの作製を行った。
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