2006 Fiscal Year Annual Research Report
理工系学生のためのオブジェクト指向による論理的明快文書作成教育の支援システム構築
Project/Area Number |
18700664
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Research Institution | Tokyo National College of Technology |
Principal Investigator |
松本 章代 東京工業高等専門学校, 情報工学科, 助手 (40413752)
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Keywords | 意味ネットワーク / 情報可視化 / 作文教育 / オブジェクト指向 / 論文作成支援 / 文書構造解析 |
Research Abstract |
本研究は,理工系学生を対象とした,論文執筆のための教育システムの構築を目的とする.論理的な思考が必要なプログラムは書けるのに論理的な文章を書くことは苦手である,という理工系学生は多い.そこで,プログラミングの技術を論文執筆に活かす方法として,自然言語処理において意味表現として用いられる「意味ネットワーク」を仲介させる手法を提案する.意味ネットワークで表現される図は,オブジェクト指向を学んだ学生にとって容易に理解でき受け入れ易い.本システムは,学生が書いた論文を意味ネットワークによって可視化する.客観的に解析されることによって,論理的な文章へのヒントとなり,それを元に学生自身が考え直すことによって文章表現能力の向上を図る仕組みである. 以上の研究目的を達成するため,今年度は,主にシステムの考案及び構築を行った.システムの概要は以下のとおりである. (1)学生が書いた論文を入力データとし受け取る. (2)論文を構成する各文について形態素解析・構文解析を行う. (3)(2)の結果から,重要と思われる語を抽出する. (4)(3)で抽出した語とさらに関連の深い語を抽出し,その語間の係り受け等の関係から,意味ネットワークを構築し,それを「クラス図」に即した形に可視化して出力する. 構築したシステムは,実際に学生が書いた論文を用いて動作実験を行った.実際に学生が書いた論文の中から問題がある箇所を抽出し,本システムによって可視化をした場合に,どのような出力が得られるかを確認した.その結果,「主語と述語,修飾一被修飾の対応が分かりにくい文となっている」「論理展開に飛躍が見受けられる」といった問題点に対応できる可能性が示された. 次年度は,論旨の不具合への対応を検討したいと考えている.また,実際に学生が論文を書く場面において評価実験を行い,本システムの有用性について検証を行う予定である.
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